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[新人戦]司令塔・中別府が指摘する日章学園の課題は「タフさ」。改善し、“日本一世代”の新1年生加えて大目標に挑戦

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日章学園高MF中別府柊太はチームとともに「タフさ」を磨く

 日章学園高(宮崎)は18年に宮崎3冠を達成。九州新人大会で3位、夏の九州選手権では準優勝し、そしてインターハイでは全国8強、プリンスリーグ九州でも3位に入るなど安定した結果を残した1年だった。

 だが、全国制覇を目指した選手権は初戦でプリンスリーグ関東王者の矢板中央高(栃木)に1-2で敗戦。下級生たちは全国大会で勝ち抜くことの難しさを学び、日本一への再スタートを切っている。

 19年の新人戦は宮崎県大会を制したものの、九州大会は不満のスタート。それでも今大会の準優勝校・大津高(熊本1)との予選リーグ最終戦では積極的なプレーが増えた。「ボールを受けることを逃げない。自分がパスしか出せない選手とみられるのが嫌なので」という司令塔・MF中別府柊太(2年)が中盤中央で積極的にボールを受けて正確なパスと、相手を外して前進する動きなどで存在感。攻撃的SB阿部稜汰主将(2年)の攻め上がりや、闘争心に火のついたエースFW鈴木陽介(2年)が強引にPAへ割って入るなど内容の良い試合を見せ、中別府とMF齊藤元太(2年)のゴールによって2-1で勝利した。

 大津を上回ってブロック1位で準々決勝へ進出。だが、準々決勝では優勝校の鹿児島城西高(鹿児島1)に0-2で敗れてしまった。中別府は「大津戦で修正できた部分もありましたけれど、それは自分たちの過信というか、引き出されたもので、結局、城西戦が自分たちの力だった。成長できた部分もあったけれど課題もあった」と首を振る。

 そして現在の課題として、「タフさですね。自分たちはまだ心の面で一人ひとり、チームの代表という責任感が薄いので、常に代表という自負をもって練習からタフさを着けていきたいです。城西戦のようなゲームでもひっくり返せるチームにしていきたい」と引き締めていた。

 4月には昨年の全国中学校大会で優勝した日章学園中の“日本一世代”が入学してくる。すでに一緒に練習を始めており、彼らは鈴木が「(1年生の彼らに)頼る部分があります。全然違います」と舌を巻くほどのプレーを見せているという。その中で3年生たちは日常から下級生を引っ張り、ともに勝利を目指していく。

 今年の注目プレーヤーの一人、中別府は個人としての目標について「欲を言えば全部できる選手に。守備も攻撃も」とコメント。まだまだ甘い面があるという部分を個人、チームで改善して「全国制覇です」という目標にチャレンジする。

(取材・文 吉田太郎)

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