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遅れてきたリオ五輪世代、橋本拳人は初招集に感慨「A代表しかないと思っていた」

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取材対応で笑顔を見せるMF橋本拳人(FC東京)

 日本代表は19日、横浜市内で22日のキリンチャレンジカップ・コロンビア戦(日産ス)、26日の同ボリビア戦(ノエスタ)に向けた合宿2日目の練習を行い、追加招集されたMF橋本拳人(FC東京)を含めた23人全員が揃った。

 目指してきた場所にたどり着いた感慨は深かった。「まだ実感が湧かないというか…。ここから頑張っていきたいなという思いが強いです」。MF守田英正(川崎F)がコンディション不良のためチームを離脱。追加招集されたボランチは首位FC東京の躍進を支える橋本だった。

 年代別代表の経験はあったが、A代表はこれが初招集。U-23日本代表メンバーにも入り、リオデジャネイロ五輪を目指したが、惜しくも本大会メンバーからは落選。日本代表の舞台を目標にしてきた。

「オリンピックが終わったあとから、もうA代表しかないと思っていた。どれだけJリーグでアピールして入れるか、というところで目指していたので、初めて選ばれて本当にうれしい気持ちでいっぱいです」

 負傷者の影響があるとはいえ、招集に値する序列に上がっていた。徐々にFC東京の主力に定着し、今季はここまでJ1リーグ全4試合にフル出場。第2節湘南戦ではダイナミックに長距離を駆け上がり、逆転ゴールを押し込んだ。運動量豊富なボランチの貢献は攻守に大きく、泥臭さも増している。「奪ったあとにどれだけいいボールを前につけて自分が入っていけるか、意識してプレーしたい」と攻撃の起点となるイメージを膨らませた。

 オフ中の招集とあって、森保一監督からは「頭を切り替えて自分の良さを出して欲しい」と声をかけられた。経験豊富な選手との交流も図り、刺激を受けている。「練習中から自分の良さを積極的に出して、練習以外のところでコミュニケーションをとって、擦り合わせていきたいと思っています」。

 1993年生まれは今回のメンバー唯一だが、92年生まれが5人、94年生まれが4人と同世代は多い。先にA代表に定着しているDF室屋成(FC東京)の存在も心強く、「『いろいろ教えてくれ』って僕から言いました」と笑った。「ここから勝負していきたい」。今後の日本代表の中心を担うリオ五輪世代の一員として、大きな一歩を踏み出した。

(取材・文 佐藤亜希子)

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