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[新人戦]「気持ちが身体を動かす」。初出場・就実が3日間で4試合目も走り切って中国3位に

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初出場の就実高が中国大会3位に

[3.18 中国高校新人大会3位決定戦 崇徳高 0-3 就実高 広島スタジアム]

 18日、第11回中国高校サッカー新人大会3位決定戦が行われ、いずれも初出場の就実高(岡山2)と崇徳高(広島1)が対戦。就実が3-0で快勝し、3位で大会を終えた。

 両校にとって3日間で4試合目となる戦い。就実の須田二三明監督は「身体はシンドかったと思います。でも、これは相手も一緒。どっちが3位になりたいか。『気持ちが身体を動かす』という話をしました」と説明する。その就実が「3位になろうと言う気持ちが強かった」(MF湯淺怜夫主将、2年)と身体を動かして走り続け、中国3位を獲得した。

 今大会、「みんなでファイトして戦う」というチームのベースに、個々の特長を加えた戦いで4強入りを果たした就実に対し、崇徳は激戦区の広島県新人戦で初優勝。まだまだ戦いぶりに波があるようだが、中国大会でも準々決勝で優勝候補の米子北高(鳥取1)を破って4強入りを果たした。

 前半、崇徳はボールを奪ってからCB村上雅徳主将(2年)やMF岩崎豪(2年)らがしっかりと一本のパスを繋いで攻めようとする。一方の就実は今大会印象的なプレーを続けた湯淺主将を中心に気持ちで身体を動かして崇徳の攻撃を封じると、同サイドでの素早い攻撃から相手ゴールを目指した。

 試合は前半24分に動いた。就実はFW{{野口悠吾}(2年)の右ロングスローがゴール中央まで流れると、右SB井口詩音(2年)がダイビングヘッドで先制ゴール。さらにアディショナルタイムにも右CKの流れから井口がアーリークロス。これを「絶対にここにボールが来ると思って走り込んだら来た」というCB山口永遠(2年)が右後方からのボールを頭でそらすようにゴールへ流し込んだ。

 2点ビハインドとなった崇徳は後半開始から注目エースのFW坪井一馬(2年)を投入。6分には坪井のラストパスからFW政近悠希(2年)がシュートに持ち込んだほか、後半立ち上がりはボールを保持しながら攻める自分たちの特長を発揮していた。

 だが就実は14分、湯淺のインターセプトから抜け出した野口が右足で3点目のゴール。この日は怪我を抱える快足MF青木慧大(2年)の突破が少なかったものの、FW松井愛篤(2年)がテクニカルな仕掛けでチャンスメークしたほか、運動量でも相手を上回って見せる。崇徳は坪井がターンからの左足シュートを狙うシーンや右MF村田仁(2年)がドリブルで切れ込むシーンなどもあったが、就実が3-0で快勝した。

 就実は前日の準決勝で立正大淞南高(島根1)にバイタルエリアを攻略されて4失点。だが、この日は運動量を持ってそのスペースを消し、相手に活用させなかった。また、今大会は10番FW森岡眞太朗(2年)やMF福田完悟(2年)という主軸を怪我で欠く中で3位。DFリーダーの山口は「全員で足を動かし続けてゼロで終われたのは大きいと思います。3日で4試合。ベンチのみんな誰が出ても同じようにプレーするのがコンセプトなので、それが達成できたからの3位だと思います」と胸を張った。

須 田監督は「夏、秋への課題が見つかったことは良かった。自信と課題の両方を得られたことは良かったです」と語った。次の目標は全国大会出場だ。山口は「プリンスリーグに昇格したので最後残っている目標が全国大会に出ること。(立正大)淞南戦で出た課題を改善して、県大会で優勝して全国大会に出たいと思います」と語り、湯淺も「インターハイと選手権では(新人戦決勝で敗れた)作陽にリベンジして初の全国大会を達成したい」と誓った。試合終盤に足が止まってしまった試合もあっただけに、全員で改善してまた歴史を塗り替える。

(取材・文 吉田太郎)

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