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ライバルは左の中島? スペインで右MF起用の乾「チーム事情でやっているだけ」

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左サイドでのプレーを望んだ日本代表MF乾貴士(アラベス)

 MF中島翔哉(アルドゥハイル)が復帰し、MF香川真司(ベシクタシュ)とMF宇佐美貴史(デュッセルドルフ)も招集されたことで、新たな局面を迎えている2列目のレギュラー争い。日本代表MF乾貴士(アラベス)は「拓実、律、翔哉のところは日本の良さ」と述べ、自身は追う立場にあることを明かした。

 発足当初から4-2-3-1のシステムを採用している森保ジャパンだが、昨年行われたキリンチャレンジ杯では中島、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF堂安律(フローニンゲン)の3人が2列目の『3』を主に担い、勢いのあるプレーを展開。アジア杯では中島が負傷離脱し、乾が追加招集されたものの、先発にはMF原口元気(ハノーファー)が入っていた。

 そんな中、今回の合宿では中島が復帰。さらに香川、宇佐美といったロシアW杯経験組も新体制で初めて招集され、これまでと異なる顔ぶれでのポジション争いが繰り広げられている。「割って入るには試合でアピールするしかない」。合宿3日目の20日、報道陣の囲み取材に応じた乾は自らの立場をそのように明かした。

「アジア杯からメンバーが変わっているので難しいが、新しい選手が入っているので、戦術よりも個々のアピールが大事になる。そういう選手はアピールしないといけないと思うのが普通なので、それをサポートできれば。そして自分自身もアピールしようと思っている」。

 生き残りをかけた個人の戦いが始まっている中、乾は自らを『左サイドの選手』と捉えている模様。アジア杯終了後に期限付き移籍したアラベスでは右サイドハーフの定位置を掴み、リーグ戦では2ゴールという好成績も挙げているが、あくまでも本職ではないという考え方だ。

「自分は右じゃないし、右はできない。もちろんやったことがなかったので新鮮だし、楽しいけど、チーム事情でやっているというだけ。(ベティスでの)半年間、出られない期間を過ごして、試合に出たいという欲が出てきた。出られるポジションを見つけて出られているので文句はないが、チームの役に立てるようにやっているだけ」。

 だからこそ「律のところ(右サイド)でプレーするのは違う」と立場を明確にし、現状のライバルは「ポジションがかぶっている」という中島になる。アジア杯では“代役”の立場にとどまったが、出場機会を失っていた2か月前とは自身の試合勘も変化。「試合に出ることでコンディションは確実に良くなっている」という手応えを携え、正々堂々とレギュラー争いに挑む構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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