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高校初のeスポーツ選手権…異種サッカーに挑んだ徳島・阿南高専は校長自ら現地観戦

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高校初のeスポーツ大会が行われた

 第1回全国高校eスポーツ選手権『ロケットリーグ部門』の決勝大会が23日に行われた。高校年代初のeスポーツ全国大会となった今大会。阿南高専(徳島)は準決勝敗退となったが、この新たな活動に学校全体で前向きに取り組んでいる。

 23日は『ロケットリーグ部門』の準決勝と決勝が行われた。ロケットリーグはプレーヤーが“バトルカー”を操り、3対3でゴールを狙う異種サッカーゲーム。徳島の阿南高専『Kamase dogs』は準決勝で鶴崎工高『雷切』(大分)と対戦したものの、2本先取の勝負で2連続で敗れ、決勝進出を逃した。

バトルカーで巨大なボールをゴールに運ぶ

 会場には阿南高専の寺沢計二校長の姿が。出張の日程が運良く重なって観戦できたという寺沢校長は、生徒たちが準決勝まで戦い抜いたことに目を細めていた。元々eスポーツ研究会は校内に存在しており、学園祭でも大会をするほどにeスポーツには積極的ではあったという。しかし生徒たちは別途で応募して予選通過。「あとで報告を受けたんですが…まさかこんなすごい大会に出られるとは思ってもみなかった」と想像以上の大会の盛り上がりに驚きをみせた。

阿南高専は寺沢計二校長が観戦に

大会を盛り上げたど派手な演出

「eスポーツはすごいですね。今世界中で盛り上がっているというのは改めてここで感じました。彼らも短い間で良いチームワークを築いて、素晴らしいと思います」

 eスポーツという言葉は少しずつ浸透をみせているが、学校単位で活動している高校はまだ少ない。「うちも実は正式な研究会として学校で立ち上げたんですけど、学校の中で練習していいのかっていうことが議論になりました」とeスポーツならではの問題を明かす。現在設備の問題でオンラインでは練習できないというが、議論の結果、オフラインでの練習は認められることになった。

準決勝に臨む阿南高専の3選手

阿南高専は準決勝で敗れた

 寺沢校長は今大会での生徒たちの活躍が、今後の理解の良いきっかけになると語る。「学校のHPにeスポーツの現状と合わせて今回のことを載せようと思います。我々学校としてもしっかりサポートしていきます、と説明をつけていきたいですね」。理解ある校長のもとでeスポーツは少しずつ広がりをみせている。

「保護者の方にも今のところは理解を示していただけているようです。今後も私はよりバックアップをしていきたい。言ってしまえばゲームなので…本業の勉強に差し支えない範囲で。たとえば練習するのも時間を決めたり、ルールの中でやることを前提にやらせていきたいですね」

(取材・文 石川祐介)

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