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日本vsボリビア 試合前日の森保一監督会見要旨

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公式会見に出席した日本代表森保一監督

 日本代表は25日、ノエビアスタジアム神戸で公式練習を行い、26日のキリンチャレンジカップ・ボリビア戦に向けて最終調整した。練習前には森保一監督が公式会見に出席した。

以下、森保一監督の会見要旨

森保一監督
「明日の試合ボリビア戦も勝利を目指して戦うことに変わりはない。特にホーム日本での戦いということで、直近の試合でコロンビアに敗れてしまったので、選手もスタッフも含めて、チーム一丸となって最善の準備をして、この短期間の準備期間だったが、その中でベストなものを出して戦えればと思っている。我々を応援してくださる方々に喜んでもらえる内容と結果を届けられるようにと思う」

―呼んだからにはできるだけ多くの選手を起用したいと言っていたが、ボリビア戦に向けてどれくらいのメンバーを代えるのか。また、平成最後の日本代表戦となるが、急成長した時代の節目でどういった試合を見せたいか。
「まずは明日のメンバー選考だが、できれば招集した全員の選手を使ってあげたい思いはあるが、残念ながらスタメンは1試合目、2試合目を合わせて22人しか使えない。思いだけを持って選手を選びたい。基本的には総替えで戦うつもりだが、『予定』ということで皆さんにはお伝えしたい。なぜかというと練習を見て、怪我があったり、パフォーマンスで明日の試合はちょっと難しいなと思われる選手はそこを約束できるものではない。練習が終わってからはっきり決めたいと思っている」

「また明日、平成最後の日本代表の試合ということで、まずは日本のサッカー界は平成だけでなされたわけではないということ。平成での日本サッカー界は非常にレベルを上げて、世界の中でも急成長した国だと思っている。しかし、成長につなげてくれたのは昭和や、その前に日本サッカーが始まった時から尽力されてきた方々、日本サッカー協会、また日本サッカーに多くの方のご尽力があったから今があるし、平成での日本サッカーの成長があると思う。まずは日本サッカーに携わった方々、サッカー関係者だけでなく、ここにいるメディアの皆さん、チームを支援し関係づくりをしてくださった皆さん、日本サッカー協会をはじめとする環境と、どうやったら世界に追いつけ追い越せと日本サッカーを考えてきた方々の尽力があって今がある。その方々のこれまでのサポート、尽力にまずは敬意を払いたい。我々はそういう先輩方、先人の方のやってきてくれたことを今の時代で、今の環境の中で、少しでも良くしていくこと、そして未来に向けてつないでいくこと、さらなる発展につなげていけるように、今という時を頑張っていかないといけない。そのためには結果にこだわってやることと、日本代表の勝利と日本サッカーの発展を常に考えながら私自身仕事をしていきたいし、次の人たちにつなげていけるような仕事をしたいと思っている」

―コロンビア戦は森保監督が就任して初めて無得点に終わった試合だった。ボリビア戦に向けてどういった点を求め、どういったものを落とし込んだか。
「コロンビア戦は私がA代表の監督に就任して、初めて無得点で終わった試合だった。改善点で言えば無得点で終わったり、あるいは得点が入ったとしても、相手がスコアを上回ったら決定力が課題にあがってくる部分はある。やはりシュート16本を打っているし、そういうところでは選手のクオリティーを上げるところと、またシューターまでのパスコースを作って走る、オフザボールで走る選手の存在が必要だということ。シュートを打つ選手にもその状況が見えていて、かつ自分が打った方がいいと思った場合にはシュートを積極的に打ってほしいということ、そして確実に決めることは選手に言った。ただ、一番強調したのはボールに向かう姿勢。コロンビア戦でも選手は非常にアグレッシブにボールに向かうというプレーをしてくれたと思うし、なかなか中央は崩せなかったけど中央を崩す努力と、ミドルシュートで果敢に狙うところは大切にしていきたいところだと思う。選手にも1回のミスで悩むなら、2回目のチャンスを作ること、2回目がダメなら3回目のチャンスを作ること、そういった前向きなトライをしてほしいと伝えた」

―周りの状況が見えていれば積極的にシュートを打つべきという選手がコロンビア戦の試合後にもいたが、それは森保監督のコンセプトが浸透しているからなのか。
「コンセプトとして浸透しているかという点ではどこまで浸透しているかわからないが、シュートを打つことはまずは入りというか、チームの成長の部分ではまず必要なことだと思っている。シュートを打った選手は、確実に目をつぶってもシュートを打てる場所にいる選手には、極論だがそちらにパスしてより確実にゴールを決めてほしい。ただ、自分が決めるという意識は常に持ってほしいと言っている。自分が決める、チームの誰かが決めるというのは選手が考えてほしい。コンセプトに合っているかどうかはこれまでの映像で一緒に確認しているし、前回のコロンビア戦でも思い当たるシーンはお互い確認してやっている。良かったか悪かったかは結果論なので両方とも考えるようにしていきたい」

―森保監督のスタイルではトップ下の選手の動きがとても重要だと思うが、GKから繋ぐサッカーを求める森保監督はトップ下にどう言ったプレーを求めているか。
「トップ下の選手でも得点を奪うプレー、また得点に絡むプレーをしてほしい。我々はマイボールを大切に攻撃したいというコンセプトを選手にも言っているので、前線で起点になって、相手の嫌がるところでボールを持って、前線のチャンスにつなげてしてほしい。ただマイボールを大切にすると言っても、前の試合では速攻もできたし、ポゼッションだけできればいいという考えでは相手に止められてしまう。コロンビア戦では決めることはできなかったが、ボールを奪ってからの速い攻めができていたし、速攻も遅攻もできるというところをさらに上げていかないといけない。コロンビア戦では前半は相手のプレッシャーを外すことができたが、後半に入って相手が圧力をよりかけてきて、われわれは少し運動量が落ちてきたという中で、相手のプレッシャーを回避できなかったことでボールをロストして、守備をしなければならず疲労して、流れを失ってしまったところがあった。前半同様に攻撃も守備もインテンシティーをもっと長い時間保って、われわれが仕掛けるサッカーをしたいと思う」

―コロンビア戦では香川選手をトップ下、ポストプレーヤーではない南野選手を1トップに置いたが、その評価はどうか。またボリビア戦ではそのような新しい試みをしようと考えているか。
「まず南野を1トップにした部分では、大柄なポストプレーヤータイプではないが、地上戦でボールをグラウンダーでつなげる良い選手だと思っている。あの時間帯はなかなかボールがつなげなくなっていた。前半は(鈴木)武蔵がアバウトなボール、縦に速いボールを収めてくれる、そこでセカンドボールを拾える状態になっていたが、そこがなかなかできなくなった状況で、アバウトに前線に上げるのではなく、つないで流れを引き寄せるために間で受けることができる香川をトップ下に置いて、南野も足元で受けられるしサイドに流れることもできるので、そういった形にした。あとは将来を目指す中で、中島、南野、堂安に、これまで非常に多くの経験をしてきた香川が入ることによって、短い時間だったが共有できるイメージを持ってもらいたかった。試合をひっくり返してもらって、イメージを共有することが未来に生きていくと思って起用した」

―ボリビアは22日の韓国戦を見る限り、コロンビアとは大きく異なるサッカーだが、どういった戦いを目指しているが。
「私も韓国対ボリビアの試合は見たが、われわれの戦いにおいて参考になる試合だったと思っている。基本的にボリビアの戦術は南米の中で予選を勝ち抜き、ブラジルやアルゼンチンやコロンビアなど南米の強国にどうやって勝っていくかというところにある。しっかり守備を固めてカウンターアタックを仕掛けることが彼らのベース。韓国もビッグチャンスはあったが、ボリビアも試合終盤まで無失点を続けたところはそういった戦いに慣れているのだろうと思った。そこはチームとしてコンセプトとしてやり続けているところかなと思う。カウンターでは鋭い攻撃を仕掛けていたし、チームとしてのコンセプトは表現されていた試合だと思う。徹底することはなかなかできない。あれだけ韓国戦でも徹底しながら我慢しながら戦えるというのは強いチームだと思った。韓国戦じゃない試合も見たが、相手のほうが多少攻撃で手詰まりになったり、ディフェンスラインでパスを回している時、力関係的に攻撃に仕掛けられる展開の時には彼らは賢いので、ボールを握りながら仕掛けていくことも状況に応じてやっていた。韓国に負けているので、どういった戦いをしてくるのかも含め、アグレッシブに戦いながら、出方を上回っていく試合を臨機応変にしていきたい」

「いつもありがとうございます。試合前に非公開の練習で、キリンチャレンジ杯では皆さんにお見せしてもいいと思っているし、隠すつもりはないが、より選手に集中してトレーニングしてほしい思いがあるので、非公開にしていただきありがとうございます」

(取材・文 竹内達也)

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