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「宇佐美選手に感謝しています」高校選抜DF豊島、“中1以来”のCBで相手FW“怯ませて”勝利貢献

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日本高校選抜DF豊島基矢(青森山田高→順天堂大)はCBとして勝利に貢献。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.18 デュッセルドルフ国際ユース大会 日本高校選抜 2-1 ボルシアMG]

 助言通りに戦い、勝った。日本高校選抜はボルシアMGとのデュッセルドルフ国際ユース大会開幕戦で本来左SBの豊島基矢(青森山田高→順天堂大)をCBとして先発起用。欧州遠征直前合宿から「中1の時に初めて1年間やって以来」となるCBでプレーする回数を増やしたDFは今回、そのポジションで勝利に大きく貢献した。

 身長は176cm。相手には10cm以上大きなCBがいたが、負けないくらいの存在感。「自分は世界からしたら全然小柄な方だけど、身長だけじゃないと見せたいと思っていました」という豊島はスピードや競り合いの強さ、ビルドアップでボールを運ぶ力という強みを発揮した。

 朝岡隆蔵監督(前市立船橋高)は「持てる。運べる。ああいう選手が(CBに)いるとリズムができる」。本人も求められている部分を表現しようと、最終ラインからドリブルで相手選手を1人、2人とかわしてボールを繋いで見せるなど、攻撃の起点としての役割を発揮していた。選手権優勝の青森山田では、主に前方にいるエースMF檀崎竜孔(現札幌)をサポートする役割だったが、突破力など攻撃性能は抜群。その特性をCBでも発揮した。

「新しいCBと見てもらえればいい。明後日、CBで出たとしても全然上がります」と笑った豊島。攻撃面ももちろんだが、この日、何より彼のプレーで光ったのはファイトする部分だ。日本高校選抜は試合前日に日本代表FW宇佐美貴史(デュッセルドルフ)と交流。豊島は宇佐美から聞いたアドバイスを試合で表現したのだという。

「『向こうに気合では負けるな』というふうに言われていました。(海外選手の方が球際が強い印象があるが、)『案外、日本人が強く当たったり、強く行ったりすると向こうは予想外の出来事に怯んだりする』と聞いたので、それを教えてくれた宇佐美選手に感謝しています」

 マッチアップした相手FWは、ボルシアMGのキャプテンマークを巻く選手だったが、豊島は「一回強く行った時に向こうが怯んでいたので『勝った』と思いました」。ボルシアMGのキーマンを怯ませたことで相手のパワーを削ぐことに成功したと感じている。宇佐美の助言に感謝したDFは今後の試合でも、海外の選手に気持ちで負けずに戦う意気込みだ。

 豊島は強豪・順天堂大でルーキーながら開幕スタメンを果たした注目DF。大学サッカーで先輩たちに追いつきたい、活躍したいという思いがある一方、日本高校選抜としての活動があと一週間ほどで終わることを寂しがっていた。

「今まで相手として戦って嫌だなと思っていた選手と一緒にできることが最初はとても嬉しかったんですけれども、どんどんできなくなる日が近くなっている。もっとやっていたいという気持ちが大きいんですけれども、集大成としてこの大会で優勝で飾りたい」。得意の“変顔”などでチームを盛り上げるムードメーカーの一人は仲間たちへの感謝、常に口にしている青森山田への感謝の気持ちをプレーで表現し、デュッセルドルフ国際ユース大会で必ず優勝して帰国する。

(取材・文 吉田太郎)
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第57回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会公式サイト(別サイトに移動します)

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