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[MOM608]東洋大MF坪川潤之(4年)_志願のPKと思い起こした得点パターン

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PKを決めてガッツポーズをみせる坪川

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.6 関東大学L1部第5節 東洋大3-1中央大 柏の葉]

 唯一の開幕4連敗。初勝利を目指した東洋大の主将MF坪川潤之(4年=矢板中央高)は責任を感じていた。「蹴らせてほしい」。前半22分の先制点の場面。攻撃の中心であるMF松崎快(4年=大宮ユース)が獲得したPKだったが、坪川はキッカーを志願した。

「僕が自信を持って蹴りたいと思った。あのシーンは大事な1点だったので、僕に蹴らしてほしいと言ったら、快もいいよと言ってくれたんです」

 ボールを置いた坪川はゆっくりと後退り。そして立ち止まって深呼吸。心を落ち着けて助走に入り左足を振り抜く。ボールは勢いよくゴールネットに突き刺さった。

 さらに何といっても大きかったのは2-1と1点差に詰め寄られて迎えた後半38分、左サイドから崩しにかかる味方を信じて右サイドで待ち構える。するとDF野崎玲央(4年=大宮ユース)のヘディングから浮き球が坪川に渡る。坪川が合わせたシュートは、「本当に大きかった」と胸をなでおろす3点目となった。

 チームで士気を高めて臨んでいた。2日に駒澤大に逆転負けを喫したあと、4日のミーティングで昨年の試合のビデオを観ることになった。その試合は昨年10月28日の早稲田大戦。6-1で大勝した試合だったが、古川毅監督が「ゴールを取るイメージを植え付けるために」観るように指示したのだという。

 同試合で坪川も1得点をしていたが、そのゴールも今回のダメ押し点と同じ、右サイドで待ち受けて蹴り込んだゴールだった。これについては「僕はよくあそこを狙っているので」とニヤリとした。

 また今季は2戦連続ハットトリックを記録した立正大FW人見拓哉や、駒澤大の主将DF星キョーワァンら矢板中央高の同級生が関東大学リーグで大活躍しているが、「気になりますけど、僕は東洋のことしか考えていない」とキッパリと話した。

「何とかこの仲間で勝ちたい。まだ始まったばかりなので、巻き返したいです」

 この勝利を価値のあるものにするためには、次が大事になる。ただ“史上最高”をテーマに掲げる東洋大がここで満足することはないはずだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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