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大成は目標通りの無失点勝利、CB金井は注目CBを陰で支えて「いざ勝負という時に自分が」:東京

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大成高CB金井渉は出足の良いインターセプトなどで勝利に貢献

[5.19 インターハイ東京都1次予選2回戦 大成高 6-0 日大鶴ヶ丘高 実践学園高G]

 昨年度の選手権予選準優勝校・大成高は、完封勝利でインターハイ予選をスタート。今年は関東大会予選4試合で9失点、東京都2部リーグでも4試合全てで失点していただけに、選手たちは無失点で試合を終えたことを素直に喜んでいた。

 この日、大成は前からボールを奪いに行く守りを徹底。その中でCB金井渉(3年)は長身CB佐藤イライジャ(3年)とともに後方からチームを支えて勝利に貢献した。佐藤が日大鶴ヶ丘高の大型FW嶋根礼斗(3年)と球際バトルを展開し、金井はそれをカバーしながら相手のゴール前への侵入を阻止。また、判断よく前に出てインターセプトするシーンもあった。

「イライジャくんに戦ってもらって、それを自分は支えることができたかなと思います。試合前には相手とか関係なく失点をなくして勝つことを目標にやっていたので、きょうみたいに無失点のゲームができたのはDF陣としては良かったかなと思います」と頷いていた。ただし、後半は相手ボールを取り切る回数が減り、サイドチェンジを許していただけに、金井はコーチングの部分などを反省。次戦は改善することを誓っていた。

 関東大会予選では2度の延長戦などをしぶとく勝ち上がって過去最高タイの4強入り。東京都2部リーグでも現在首位に立っている。金井はチームの「最後まで諦めない」という姿勢がさらに高まっていることを説明していた。

 今月上旬には元日本代表CB秋田豊氏が来校。「最後まで諦めないということが本当に大事だと教えてもらいました。最後に笛が鳴るまでは何が起こるか分からないと言われて、みんなも意識が変わったと思う。最後までやり切ることが増えたのかなと思います」(金井)。例え、2点差で負けていても、終了の笛が鳴る瞬間までやり切るという変化を守備の柱は感じていた。

 この日の後半には相手の決定的なシーンをDFがゴールライン手前でクリア。諦めずに身体を投げ出して守るという姿勢をチームは共有している。昨冬の全国ファイナリスト、青森山田高と流通経済大柏高が見せていたのは危険な位置で絶対にシュートを打たせないという集中力と各選手の責任感の高さだ。自分たちも最後まで諦めないという気持ちと、1点を絶対に与えないという覚悟を持って今後の試合に臨む。

 金井と佐藤はいずれも昨年の選手権予選決勝の経験者。金井は注目CB佐藤に負けないプレーをすることを掲げていた。「自分はその後ろで、陰で支えて、いざ勝負という時に自分がバッと出ていくことができればいい。セットプレーとか彼はマークが厳しくなると思うので、俺もいるんだぞと見せられたら良いと思っています」。自分が点を与えなければ負けることはない。豊島裕介監督も認めるプレーをしていたこの日のように、失点しないことを最優先しながら、ここぞのシーンで自分がチームを救う。

(取材・文 吉田太郎)
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