beacon

今年から千葉県代表枠は1。MF町田主将復帰の市立船橋は変わらず勝ち続けて「絶対に全国に出ます」

このエントリーをはてなブックマークに追加

市立船橋高MF町田雄亮主将が約3か月半ぶりにAチームの練習に合流

 2枠でも、1枠でも変わらない――。令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」サッカー競技(沖縄)千葉県予選は25日、ブロック予選を勝ち抜いた高校とシード校の計68校による1次トーナメントが開幕。最多のインターハイ全国優勝9回を誇る市立船橋高は、流通経済大柏高(ともにプレミアリーグ勢としてシード)、関東大会出場の中央学院高と専修大松戸高とともに2次トーナメント(6月8日開幕)から登場する。

 予選出場校の多い千葉県は、1987年大会から2校が全国大会に出場してきたが、インターハイの大会規模縮小のため、今年から減枠されて代表校が1校となる。千葉県代表はかつて市立船橋が9度、流経大柏が2度、そして習志野高と八千代高が各1度インターハイ制覇。08年大会、13年大会、そして16年大会では市立船橋と流経大柏がともに全国大会の決勝に進出して千葉県勢同士の決勝を実現(08年大会は雷雨のために両校優勝)させるなど活躍してきたが、今年からはより厳しい予選を強いられることになった。

 現在6年連続で全国大会出場中の市立船橋だが、選手、スタッフも目の前の試合を一戦一戦勝ち続けるだけという考え。MF町田雄亮主将(3年)は「上だけ見ていたら足下救われるのがトーナメント戦だと思うので、まずは一個一個必ず勝ち上がって、決勝まで行けたら相手がどこのチームであろうと、そこに全力を注いで絶対に全国に出ます」と言い切った。

 町田が「どんな試合でも勝たないといけない」と語るように、全国選手権優勝5回、インターハイ優勝9回の名門・市立船橋はどの相手にも負けてはいけないチーム。だからこそ、2枠でも、1枠でも関係なく、出場権を勝ち取るために戦い続ける。

 そのチームに頼もしい存在が帰ってきた。2月中旬に左足第五中足骨を骨折し、プレミアリーグ開幕戦から6試合を欠場していた町田が21日の練習からB2チームで復帰し、紅白戦を挟んで23日からAチームに合流。まだまだ試合勘の部分など納得していなかったが、それでもボランチとしてチームに守備の強度やエネルギーを加える彼の復帰は大きな意味を持ちそうだ。

 町田不在だったプレミアリーグ序盤戦の成績は2勝1分3敗で6位。ただし、練習の雰囲気、強度の部分などが変化して迎えた第5節で尚志高に4-0で快勝し、続く清水ユース戦でもV候補を追い詰めて引き分けた。

 町田は当初結果が出ないチームに不安や焦りもあったという。だが、この日復帰したチームの雰囲気が3か月前と変わっていることを実感。それでも、練習後に波多秀吾監督からは「まだまだ足りない」と指摘を受けた。そして、練習直後に恒例となっている選手間ミーティングで町田は「もっと、という話をしました」。雰囲気、表情よくトレーニングしていた彼らは「もっと」を求めてインターハイ予選へ向かっていく。

 町田は「自分は運動量豊富でないといけない選手なので、運動量、球際、奪い返しの部分では違いを見せていきたいと思っています。怪我してチーム自体にも迷惑をかけたと思っているので、その間も(エースの鈴木)唯人とかがチームを引っ張ってくれていたので、それ以上にチームを引っ張っていければと思っています」。

 プロ注目のエースMF鈴木唯人(3年)やFW賀澤陽友(3年)らが練習からチームを引っ張り、波多監督が変化を認めるDF石田侑資(2年)やMF松本海槻(2年)の台頭もある市船。待望の復帰を果たしたリーダーととともに「1枠」を必ずもぎ取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

TOP