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[MOM2900]水戸商DF大槻海偉(3年)_雨中の反撃にも冷静に対応、「1人で守ってくれる」キャプテン

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水戸商高の柱、CB大槻海偉主将

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.15 インターハイ茨城県予選準決勝 水戸商高 2-1 鹿島高 ひたちなか市総合運動公園陸上競技場]

 インターハイ茨城県予選で決勝進出を決めた水戸商高の佐藤誠一郎監督はキャプテンマークを巻くCB大槻海偉主将(3年)について「アイツが(予選を制した)関東大会もそうだったけれど、(周囲に声がけしながら)1人で守ってくれている」と評し、決勝点を決めた左SB加藤大星(3年)も「アイツの存在は大きかったですね」と絶賛していた。また、指揮官は「昨年までは隙だらけ(苦笑)。キャプテンという自覚が人も変えているよね」と加えていたが、メンタル面の成長が現在の彼を作り上げているようだ。

 強い風雨の中で行われた準決勝。前半11分にFKを直接決められた水戸商は後半の2得点で逆転に成功する。だが、2-1で迎えた試合終盤は反撃する鹿島高のロングボールやセットプレーをゴール前で受ける展開になった。

 それでも、182cmCB大槻は非常に落ち着いた守備を披露。競りに行った際には「空中戦では絶対に負けたくないと思っています。跳ね返しには自信があるので、天候が悪くても変わらずやり続けたかったし、天候悪くても出せたというのがあります」という自慢のヘッドでボールを跳ね返し、練習試合で対戦した前橋商高を参考にしているというDFラインのコントロールも集中してやり切った。

 激しい風雨の中で“事故”が起こってもおかしくないような状況だった。だが、水戸商の選手たちはほとんど慌てることなく、鹿島の攻撃を封鎖して2-1で勝利。その中心となった大槻は、主将になったことでの変化を口にしていた。

「2年生の頃は上の学年がいたので浮ついていたりしたんですけれども、キャプテンになって、自分がまとめないといけないという気持ちが強くなってここまで来れたと思います」。水戸商で成長したと実感しているフィジカル面も武器に、隙の少ない守り、周囲への声がけでチームを支えている。

 決勝では同じ鹿島アントラーズの育成組織出身、明秀日立MF大山晟那主将(3年)と対決することになった。同じ主将として、守備の柱として「負けたくない。決勝は無失点でいきたい。(どのチーム、選手が相手でも)来たら倒すだけです」と誓ったDFが、ライバルを完封して全国舞台に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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