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GK相澤ピーター・コアミがビッグセーブ連発。U-18代表定着のために「もう少し抜きん出たプレーを」

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U-18日本代表GK相澤ピーター・コアミ(千葉)

 U-18日本代表は今回、GK相澤ピーター・コアミ(千葉)、GK上田樹(金沢U-18)、GK小畑裕馬(仙台ユース)、GK山田大樹(鹿島ユース)という4人の守護神候補を福島合宿(7日~10日)に招集。3チームを編成して行われた9日の巴戦で各GKが特長を表現していたが、特に相澤がシュートセーブの強みを発揮し、ビッグセーブを連発していた。

 相澤は、高橋範夫GKコーチと川口能活アシスタントGKコーチから教わったことを忠実に実行しようとしたことが好守に繋がったと説明する。「範夫さんと能活さんから言われていたことを意識してやるということをテーマに自分の中ではやっていて、プロに入ってからそんなに試合もやれていなかったので緊張していたんですけれども、DFがコース切ってくれて良い形で止められたので流れに乗れたという感じですね」

 意識していたのは「ボールに正対して、どれだけディフェンスを動かせるか」ということだ。試合中もコーチ陣に指摘されながらプレーしていた相澤は、DFの選手たちが最後まで相手に寄せてくれていたこともあり、約45分間のプレーの中で1対1など4、5本のビッグセーブ。相手をよく見てシュートを止めていたことも印象的だった。

 現在、千葉で第4GKの立場にある相澤は、試合勘を欠いている部分もあってクロスに出られないシーンもあった。シュートを打たせずに守るという部分も課題に。それでも、7日から行われているこの合宿期間中だけでも成長を実感している。学年的には一つ下のライバルたちのプレーを見ることも自分の成長の糧に。充実した合宿を送るGKは先を見すぎずに、目の前の課題としっかりと向き合って、一つ一つ改善しながら強みを出していくことを目指す。

 プロ入り後の自分について「一言でいうと厳しいですね」と相澤。千葉で第4GKという立場にいる18歳は、危機感を抱きながらの毎日だ。日本文理高(新潟)進学後から本格的にGKをスタートしながらプロ入りを勝ち取った大器は、現状をしっかりと理解し、成長することを貪欲に求めている。その中で得られているU-18代表でのチャンスを必ずモノにすること。「今日はできたんですけれども、明日ダメだったら意味がないので明日のチャンスを掴めればなお良いかなと思います。(今後も継続して)選んでもらえるように、もう少し抜きん出たプレーを増やしていきたい」と誓った。

 今回の合宿では、4度のワールドカップを経験した川口アシスタントGKコーチから現役時代の心境やどのようなプレッシャーの中でプレーしていたか聞くことができたことも自身のプラスになった。「(97年のアジア最終予選で決めたワールドカップ)初出場の時にどれだけプレッシャーがかかっていたのか。その中でどれだけ団結してプレーしたかが印象に残っています」。プレッシャーの中で力を発揮する力や逆境を跳ね返す力、団結力……。ライバルたちとの競争や日常で勝つために必要な力を身に着けて、U-20ワールドカップへ向かう。

(取材・文 吉田太郎)

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