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攻撃参加からスルーパスも。U-17代表初招集、ナイジェリア系のDF藤田譲瑠チマが声とプレーでアピール

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前半41分、U-17日本代表左SB藤田譲瑠チマ(東京Vユース)が左サイドからスルーパスを通す

[7.13 国際ユースin新潟第1節 U-17メキシコ代表 2-1 U-17日本代表 スポアイランド聖籠]

 U-17日本代表初招集のDF藤田譲瑠チマ(東京Vユース)が、経験の浅い左SBで「及第点」のプレーを見せた。

 藤田はCBやボランチが本職。だが、U-17日本代表の森山佳郎監督が「サッカー感がある」と評価するDFは、この合宿で初挑戦したという左SBで先発出場し、攻守で存在感を放った。前半15分に相手のカウンターを一人でストップ。また、攻撃面では自陣コーナー付近でのターンで相手のプレッシングを剥がし、中盤への楔のパスも通していた。

 前半半ば以降は、攻撃のスピードを上げようとしたパスを狙われてロストしたり、U-17メキシコ代表の俊足MFジャイル・ゴンサレス(サントス)に突破を許すシーンもあった。だが、CB半田陸(山形ユース)のサポートを受けながら奮闘。前半41分にはFW杉浦力斗(興國高)へ、また後半7分にもMF三戸舜介(JFAアカデミー福島U-18)へいずれもインナーラップからスルーパスを通し、縦パスでチャンスの起点になった。

 また、空中戦や対人守備の強さも発揮。何より、初代表とは思えないほど、積極的に声を出していたことが印象的だった。「指示をどこのポジションでも。それを一番出すことが武器だと思うので、90分間ずっと細かい指示を継続してできたらいい」。試合に敗れたために高評価を得るまでは至らなかったものの、森山監督が「及第点」を与えるプレーと声でU-17ワールドカップ(10月、ブラジル)メンバー入りへアピールした。

 ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ藤田は、「この大会で(森山)監督や、チームメートに認めてもらって、ワールドカップでもSBやボランチだったり、色々なところをできる選手として選ばれていきたい」と意気込んでいる。

 本人は今回の新潟合宿で手応えと課題を感じている。「思った以上にはやれている部分も多かったんですけれども、まだまだ課題も多かったので修正したい。1対1だったりきょうも裏に抜けられるシーンが結構あったので、ポジションの細かい修正だったりを意識してやりたいです」と誓った。

 森山監督は「ちょっと前のポジションも明日から試してみたい」と明言。U-17ワールドカップ開幕まであと3か月半、チームでアピールしてメンバー争いに食い込んできた万能型DFが新潟でチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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