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「あの時より上に行きたい」2年前の4強超え狙う山形ユースが前年王者・清水ユースとドロー

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清水エスパルスユースモンテディオ山形ユースは1-1で引き分けた

[7.21 日本クラブユース選手権U-18大会F組第1節 清水ユース 1-1 山形ユース 前橋フB]

 21日、第43回日本クラブユース選手権(U-18)大会が開幕し、前年度優勝の清水エスパルスユースモンテディオ山形ユースが初戦で激突した。「勝たなければいけないチームと、チャレンジしていく立場のチームの対戦」(山形・今井雅隆監督)は開始早々に清水が先制するも、すぐさま山形が追い付き、1-1のドロー決着となった。

「立ち上がり、3年生は大丈夫だったが、2年生が緊張してしまっていた」という山形の隙を清水は見逃さなかった。開始7分、ロングカウンターの流れで相手を崩すと、最後はFW山崎稜介(3年)のクロスからニアサイドでMF青島太一(3年)が合わせて先制点を奪い取った。ただ、このまま試合は終わらなかった。

「すごく良い形で点を取れたが、そこから攻め急いでしまったし、イージーなミスが出過ぎた」(清水・平岡宏章監督)

 一方、失点した山形サイドに気落ちするムードはなかった。DF半田陸(3年)は「時間帯が早かったし、清水が強いのは分かっていたので。誰一人として下を向かずに戦えた」と胸を張る。

 そして、すぐさま同点ゴールが生まれたのも大きかった。FW庄司夢ノ介(3年)がペナルティエリア内でキープして時間を作ると、最後は「来ると信じていた」とポジションを取っていたMF田中嵐(3年)のところへパスが通り、これを冷静にフィニッシュ。これが見事に決まって試合は振り出しに戻った。

 以降の時間帯は「プレミアのチームを絶対倒してやると思っていた」(田中)と士気高く戦う山形に対し、清水がなかなか攻め切れない構図で推移。後半に入ると、逆にカウンターから何度も決定機を作ったが、MF田中慶延(3年)の開始早々のビッグチャンスから、アディショナルタイムのショートCKまで4度の決定機がありながらゴールは奪えず、ドロー決着となった。

 前年度王者にドローという結果になったが、半田は「誰も満足した顔はしていなかった」と言う。それも当然、チームが目指すのは2年前の4強越えだから。当時を知る半田は「あの経験をこのメンバーでしたいし、あの時より上に行きたい」とあらためて意気込みを語った。

 一方、清水の平岡監督は「こういう試合になることは予想していた。向こうの気迫に負けていた部分がある」と分析。その上で「何より『量』が足りないので、そこを選手たちに要求していきたい」と次戦以降への巻き返しを誓った。

(取材・文 川端暁彦)
●第43回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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