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[MOM628]法政大MF服部剛大(3年)_大学初ゴール含む2発、上田綺世と”同部屋期待値”

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.10 関東大学1部第11節 法政大5-0駒澤大 NACK5]

 MF服部剛大(3年=横浜FCユース)が大学リーグ初ゴールを含む2発で、法政大を大勝へと導いた。

 今季初先発に燃えていた。開始3分でミドルシュートを放つなど積極的な姿勢で試合に入ると、前半12分にFW田中和樹(2年=浦和学院高)のクロスをダイレクトで合わせて先制点を記録。

 前半34分には田中の得点につながるこぼれ球を作ると、同42分にもDF関口正大(3年=新潟明訓高)のクロスから勝利を決定づける3点目を奪った。

「自分の特長を出したいと思っていた」という服部は、前半だけで両軍最多の6本のシュートを記録。3戦ぶりの勝利を目指したチームに勢いを与えた。

「とにかく今日は自分の特長を出して、観ている人に服部剛大はこういうプレーヤーだというのを分かってもらおうと、積極的に自分のプレーをしようと思ってやっていました」

 期待されて法大にやってきた。横浜FCユース出身の服部は、14年に長崎で開催された国民体育大会に神奈川県代表として出場。MF齊藤未月やMF田中碧、MF渡辺皓太といった現在Jリーグで活躍するチームメイトらとともに、全国制覇を経験。服部はその中で6得点を奪って得点王を獲得した。

 翌15年にはU-17日本代表にも選出されると、1月にベラルーシ遠征を経験。そこではDF冨安健洋やFW岩崎悠人らとともに国際大会を戦った。法大入学時も期待は大きく、寮では代表で同じ遠征に参加したDF森岡陸(3年=磐田U-18)、そしてFW上田綺世と同じ部屋が割り当てられた。

「綺世とは2年半ずっと同じ部屋だった。最初は同じだったはずなのに、今は突き放されてしまった。あいつを追い越す勢いでやらないとという気持ちはずっとあったんですけど、それが上手くプレーで表現できない時期が続いていた。今の綺世の活躍は悔しいというか、刺激でしかない。自分もやっとプレーで表現できたので、ここからスタートかなと思います」

「(代表でも一緒にやった)堂安律とか冨安とかはもうA代表で活躍している。自分は大学に入って試合にも出れていなくて、何をやっているんだと、情けない、悔しい気持ちしか持っていない。だからこういうチャンスを待っていた。チャンスを逃さずに活かせたのは今後の自分にとっても大きいと思います」

 這い上がるしかないという服部に4日後、運命を変えることが出来るかもしれない一戦がやってくる。天皇杯3回戦のガンバ大阪戦。長山一也監督が「去年、(G大阪が)関西学院大に負けた試合を観ると、ドリブルでの仕掛けが通用していた。だからそういった選手を効果的に使っていこうかなと思っています」とポイントを明かしたことを考えれば、服部の出番は十分にありそうだ。

 東京Vを圧倒した天皇杯2回戦はスタンドから応援していた。その場では喜びを共有したが、正直素直に喜べない自分もいたという。次はピッチの上で喜びたい――。「今年の中で一番大事な試合になる。自分にチャンスが回ってくるか分からないですけど、きょうがたまたまだと思われたくない。この試合を基準として、もっと向上心を持って、自分のプレーを出せるようにしていきたいです」。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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