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[MOM2951]前橋育英MF櫻井辰徳(2年)_高精度キックで先制アシスト、次は初の代表候補合宿へ

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前橋育英高MF櫻井辰徳は先制点をアシストした

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.10 和倉ユース大会決勝 前橋育英高 1-1(PK4-3)浜松開誠館高 城山陸上競技場]

 逆転でのU-17ワールドカップ出場を目指すMFが、決勝でも武器を示した。前半24分、前橋育英高はMF櫻井辰徳(2年)が左サイドからのFKを右足で蹴り込む。これをニアへ飛び込んだCB相原大輝(3年)が頭で合わせて先制点。相原が「あれはタツ(櫻井)のボールです。タツのボールが良かったです」と絶賛したキックが前橋育英にリードをもたらした。

 櫻井は後半にも左CKで右SB大野篤生(2年)のクロスバー直撃ヘッドを演出。大黒柱のMF渡邉綾平主将(3年)を欠く中、MF栗原諒(3年)とともに攻撃をコントロールした櫻井は、ショートパス、サイドチェンジで攻撃を組み立て、パスワークから枠を捉えるシュートも放った。

 本人は後半、攻撃のテンポが上がりすぎていたことを反省。それでも、「この4日間通して強い相手とやった中で、自分の特長であるパスでリズムを作るというのは物凄くできたと思うし、大会通して得点という結果は出なかったですけれども、きょうの決勝もアシストできたという部分は良かった」と納得の表情を見せていた。

 櫻井は今月13日から開催されるU-17日本代表候補合宿に初招集。今年10月開幕のU-17ワールドカップ出場を目指して、残り数枠と言われるメンバー入りの椅子を懸けた競争に挑戦する。

 櫻井は「今年のインターハイが自分にとって初めての全国大会で、何も出来ずに終わってしまって、もっと大舞台を経験したいという気持ちがあるし、1回戦で終わってしまったインターハイの悔しさを忘れていません。自分の力も、チームの力も全然出せなかった。でも、この大会(和倉ユース大会)で自分たちはまだできると証明できたし、自分の通用する部分も多かったので、代表合宿でどんどん出して、可能性は少ないと思いますけれども、思い切りやってワールドカップに選ばれたいという気持ちが強いです」と力を込めた。

 中学時代までは県選抜とは無縁。前橋育英進学後に初めて県トレメンバーに入った選手だ。その選手が名門で下級生ながら先発を勝ち取り、自身も驚く年代別日本代表候補選出。守備面の強度など課題も徐々に改善されてきているMFは何より「ボールを触って縦パスやセットプレー、サイドチェンジの質が武器なので、そういうところをどんどん出していきたい」という武器でアピールする意気込みだ。

「呼ばれて素直に嬉しいんですけれども、ここからが勝負なので。呼ばれて終わるのは嫌ですし、自分もできるんだと自分の力を3日後しっかりと出してきたい」。和倉でもJクラブのスカウト陣が注目。山田耕介監督も代表活動を通してもう一皮剥けることを期待する注目MFが4日間の候補合宿で少しでも成長し、世界で戦える力、可能性を示す。

(取材・文 吉田太郎)

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