beacon

トーレス引退まで残るは2試合…「先のことを考えるよりも日々の1日」

このエントリーをはてなブックマークに追加

異例のシーズン途中での引退となるフェルナンド・トーレス

[8.14 天皇杯3回戦 鳥栖1-0(延長)柏 三協F柏]

 真夏の夜の一戦に終止符を打ったのは、千両役者の一撃だった。後半はシュート2本におさえられ、ゴールが遠かったサガン鳥栖は、延長開始と同時にFWフェルナンド・トーレスを送り込む。すると投入から6分後、「相手の選手は疲れている状況で、しっかりプレスをかければ奪える」と狙っていたトーレスは、MF手塚康平からボールを奪いとった。

 トーレスはそのままドリブルで持ち上がり、GK中村航輔との1対1をあっさりと沈めてみせた。「GKの位置を見る、そして下をしっかり狙う。決まってよかったです」。これまで数多くのゴールを陥れてきたストライカーはそう答えた。

 得点は6月30日のJ1第17節・清水戦(○4-2)以来45日ぶり。しかし、「チームは勝ちに値するだけの練習を積んできてる。彼らのためを思っての喜びでした」と、フォア・ザ・チームを強調する。

 鳥栖の金明輝監督は「(中2日で)次のゲームがあったので、なるべく休ませたかったというのが本音」と明かす。ゲームが拮抗していたため起用に踏み切り、見事指揮官の期待に応えた。前線からの献身的なプレスも光り、ラフプレーで警告を受けるほど勝利への執念をみせていた。

 トーレスが引退試合と発表している今月23日の神戸戦まで、ラスト3試合だったこの日。ハーフタイムにアップしている様子をカメラにおさめようと、水色のサポーターだけでなく、黄色のサポーターも大勢スマホを向けていたことからも注目度の高さがうかがえた。ところが、周囲の喧騒をよそに当の本人は至って冷静だ。

「自分としては1日1日を考えている。たとえば、今日は試合に出て、ゴールを決めて、試合に勝った。そしてまた次の日がくる。先のことを考えるよりも日々の1日1日をとらえている」

 世界的FWの引退まであと2試合。17日のアウェー湘南戦、そして23日ホームでの盟友・イニエスタ擁する神戸戦がトーレスのラストゲームとなる。

(取材・文 奥山典幸)

●[天皇杯]3回戦 スコア速報
●第99回天皇杯特設ページ
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2019シーズンJリーグ特集ページ

TOP