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エースの退部はマイナスだけではない…法政大“綺世がいない強さ”を示すために求める「結果」への挑戦

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大西遼太郎は「綺世がいなくても法政は強いんだと示すためにはまずは結果を求めないといけない」と話した

[8.14 天皇杯3回戦 G大阪0-2法政大 味フィ西]

 今夏の法政大を語る上で欠かせないワードがある。『FW上田綺世の退部』。コパ・アメリカを戦った日本代表にも選ばれ、ユニバーシアード大会では世界一に導いた大学サッカー界のエースは、鹿島アントラーズでの活動に専念することを表明した。

 どうしても周囲は指摘してしまう。ただ当人たちが一番分かっている。長山一也監督も選手らを前に上田の退部について改めて話すことはなかった。自分たちの力で乗り越えて、発奮してもらうことを望んでいたからだ。「(上田が)いなくても注目されている状況を作っていきたい」。

 そして上田がいなくてもやれることを示すのに、これ以上の舞台はなかった。前半24分に先制点を決めたMF大西遼太郎(4年=磐田U-18)も「綺世がいなくても法政は強いんだと示すためにはまずは結果を求めないといけない」と強い気持ちを持って臨んでいたという。

 エースの不在は確かに痛いが、決してマイナスだけではない。上田は先月末に行った会見で互いに刺激し合いたいと相乗効果への期待を語っていた。その上田は先日行われたリーグ戦でJ1初ゴールを記録。MF紺野和也(4年=武南高/FC東京内定)も「綺世の活躍があったから今日はみんなで勝とうというモチベーションが上がったので、綺世には感謝しています」と話すなど、G大阪撃破の原動力の一つになっていた。

 ただまだ上田不在と言われなくなるためには、更なる結果が必要になることも理解している。天皇杯を勝ち上がった法大だが、次戦までに総理大臣杯という大学主要タイトルの一つをかけた大会に臨むことになる。「結果を出していって、法政の価値を上げられればいい。大学チャンピオンになって、次の試合に臨めればベスト。だから今は大臣杯だけをみて戦いたい」(大西)。ラウンド16ではさらにパワーアップした姿をみせつける。

(取材・文 児玉幸洋)
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