beacon

[関西U-16~Groeien~]チームで戦う意識芽生えた大阪桐蔭がG1残留、惜敗の初芝橋本はG2へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

大阪桐蔭高が1-0で勝ち、G1リーグ残留

[8.23 関西U-16 G1リーグ第9節 大阪桐蔭高 1-0 初芝橋本高 伊勢フットボールヴィレッジC]

 関西地域の強豪校が長期にわたるリーグ戦を通して、U-16選手の育成および指導者のレベルアップを図る「関西U-16~Groeien~2019」は23日に最終節を行った。G1リーグ8位の大阪桐蔭高(大阪)と10位・初芝橋本高(和歌山)の一戦は、試合終盤のゴールによって大阪桐蔭が1-0で勝利。大阪桐蔭は7位でG1リーグ残留、10位の初芝橋本はG2リーグ降格が決まった。

 試合開始前から降り続いた雨によって、ピッチ内に水たまりができ、思うようにパスを繋ぐことができない。雷による試合中断もあるなど万全の状態とは言えない中での戦いを強いられたが、リーグを締めくくる一戦とあり、序盤から白熱した攻防が続いた。

 先に仕掛けたのは第8節を終えて、自動降格となる最下位・初芝橋本。勝てばG2リーグ2位との入れ替え戦に回る可能性もあったため、「勝つしかなかったので、初芝橋本らしい全員攻撃全員守備で前からハードワークして攻撃に繋げようと考えていた」(MF岡本直大)。開始とともに前線からのアグレッシブなプレスで大阪桐蔭を圧倒すると、7分には中央からのパスをPA右で受けた岡本が鋭いタックルに負けじと前を向き、シュートを放った。守備でもDF大月志浩(1年)らが身体を張ったプレーを何度も披露。ベンチも好プレーが起きる度に前向きな声を掛けるなど、良好な雰囲気で試合を進めた。

 対する大阪桐蔭は、インターハイ予選にも出場したMF馬場啓太朗やDF朝山大輝ら4名が週末のプリンスリーグのメンバー入りを果たしたため、今回の遠征には不在となった。加えて、ボールが転がらないピッチコンディションはポゼッション主体のチームにとってはマイナス要素だったため、「いつもやっているサッカーはできないので、シンプルに蹴ってスペースへ走り込めと指示した」(金正智也コーチ)と奪ってから縦に速い攻撃を選択。FW三原凛太郎や、FW吉川慧が果敢に飛び出し、チャンスを伺ったが、左SB河合啓斗の攻撃参加から作った見せ場を活かせない。

 後半は攻撃の圧力を強めた初芝橋本のペースで試合が進み、7分にはPA手前で奪ったFKをDF七星優斗が直接シュート。14分にはロングボールをFW木村倫也が競ったこぼれを岡本が遠めから狙ったが、ともに枠を捉えることができない。

 以降もチャンスを作ったが、「昨日の負けが悔しくて、夜のミーティングでは皆が凄く悔しがっていました。最終節は気持ちだけでも負けないよう頑張ろうと一致団結し、守備の粘り強さが出た」とMF藤澤壮汰が振り返る大阪桐蔭の守りを崩し切ることができない。

 このまま引き分けで終わるかと思われたが、後半34分に大阪桐蔭の絶好機が訪れた。自陣でのピンチを粘り強い守備で凌ぎ素早く攻撃に移ると、右サイドを攻め上がったDF丹羽希がゴール前にクロスを展開。このボールがオウンゴールを誘発すると、そのままタイムアップを迎えた。

 大阪桐蔭にとっては決して満足の行く試合内容とは言えなかったが、金正コーチは「昨日も含めてだいぶ苦しんだけど、良い経験にはなったと思う。一人では止められない所をカバーの選手が身体を張って止めるなどチームで戦う意識が芽生えた」と我慢強く白星を掴んだ選手たちを評価。選手も“伊勢ファイナルラウンド”2連戦で収獲を掴んだ様子で、藤澤は「主力がいない中でも勝てて自信がついた。これで浮かれることなく厳しくトレーニングをしていけば、もっとよくなると思う」と成長を誓っていた。

(取材・文 森田将義)
▼関連リンク
関西U-16~Groeien~2019特集ページ

TOP