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フィット感とタフさを両立したアスレタ新スパイク登場!スパイクマイスターが機能性を徹底解説!

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アスレタの2019年ニューモデルスパイクが登場

 アスレタの2019年ニューモデルスパイク『O-Rei Futebol T004(オーヘイ フッチボル T004)』と『O-Rei Futebol T005(オーヘイ フッチボル T005)』 が株式会社アスレタより9月中旬に発売される。カンガルーレザーのアッパーを採用しながらも安定性や丈夫さにもこだわったタフな作りのスパイクだ。今回、ゲキサカでおなじみのスパイクマイスターKohei氏にアスレタ新作スパイクの特長を解説してもらった。

――今回の新しいスパイクのコンセプトはどういったところになりますか?

Kohei 先日、一足先にアスレタの新トップモデルスパイクの『O-Rei Futebol A002(オーヘイ フッチボル A002)』が発売になりましたが、トップモデルはオールカンガルーレザー採用で税別18,500円というトップモデルらしい設計&価格になっています。今回のニューモデルでは『O-Rei Futebol T004』が税別16,000円、『O-Rei Futebol T005』が税別14,000円という価格設定になっており、価格を抑えながらもフィッティングや安定性、丈夫さを兼ね備えたコストパフォーマンス良好な新スパイクが登場したのがポイントになります。また、『O-Rei Futebol T004』と『O-Rei Futebol T005』の2つの新作をラインナップしていることで現代のサッカープレーヤーの細かなニーズにも対応できる機能性を有しているのも特徴です。


『O-Rei Futebol T004』も『O-Rei Futebol T005』も同じチャコールをメインカラーに配しており、パッと見ではどちらも同じスパイクのように見えますが、実際にはアッパーもソールも随所に違いがあり、それぞれのモデルでフィット性や履き心地に特性が生まれるギミックになっています。『O-Rei Futebol T004』では前足部にノンステッチのカンガルーレザーを採用。ノンステッチとは“縫い糸がない”という意味で、前足部のカンガルーレザー採用エリアにステッチが無いアッパーのことを指します。ノンステッチレザーを採用したスパイクはアスレタとしてはこれが初めてで、さらに前足部の内部には低反発フォームをフレーム状に内蔵することでアッパーの型崩れを防ぐ優れた保形性を確保しながらカンガルーレザーによる足なじみの良さや柔らかなボールタッチ性も同時に発揮するアッパーに仕上げています。


 ノンステッチレザーを採用したスパイクは最近のサッカースパイク界では一つのトレンドになっており、ノンステッチレザーならではのフィット性や足なじみやすさが好きなプレーヤーも一定数いるため、アスレタとしてノンステッチレザーのスパイクを新たに開発したことでそのニーズにマッチングするスパイクが新登場したと言えるでしょう。その一方でちゃんとステッチがあるカンガルーレザーのスパイクが好きなプレーヤーも依然として多いため、『O-Rei Futebol T005』ではステッチありのカンガルーレザーを採用。ノンステッチカンガルーレザーを採用したT004とステッチのあるカンガルーレザーを採用したT005、2つのバリエーションが用意されたことで自分の好みに応じて選び分けることができるラインナップになっています。


 そのバリエーションに加え、両モデルともアッパー先端にラバーコーティング加工のプロテクションが採用されています。天然皮革を採用したサッカースパイクは使用していくうちにつま先が剥がれたり破れたりしてしまいがちですが、このラバーコーティング加工を採用することでアッパーの耐久性を高め、簡単につま先が剥がれたりしないように配慮したアッパーになっています。また、ただ単にラバーコーティング加工を採用したのではなく従来よりもコーティングを厚くしつつ、つま先の広範囲にラバーコーティングを採用したことでガード力を高めています。こういった部分もしっかりとこだわってモノ作りしておりアスレタの本気度が伺えるディティールです。

――アッパーの中後足部やヒールにはどういった違いがありますか?


Kohei アッパー中足部から後足部には人工スウェード素材をベースとして内部に人工皮革フレームを内蔵し、表面にTPUフィルムを貼り付けた3層構造の独自シェルパーツアッパーが両モデルともに採用されています。内部の人工皮革フレームの配置に若干の違いがありますが、基本的には両モデルともシェルパーツアッパーがシューレースの締め付けと連動して足をホールドしてくれる安定感を生み出してくれるのが特長。履き口周りや中足部にしっかりとしたホールド感がありつつ、ヒールの内側には柔らかな起毛素材を採用することで踵への足当たりに柔軟性を確保し、ホールド性とフィット性のバランスが良く仕上がっています。


 そしてヒール部分には明確な違いがあります。『O-Rei Futebol T004』では外付けヒールカウンターはなく、内部にヒールカウンターを内蔵している設計で標準的な安定性とホールド性を実現。プレー中に踵が大きくブレることがないようしっかりとした強固さがあります。そんな中、『O-Rei Futebol T005』ではソールと一体化した外付けヒールカウンターを搭載。ソールと同じ固いナイロン樹脂で外付けヒールカウンターを構成していることによって、より堅実なホールド性と安定性が実現されており、踵のホールド感にこだわりのあるプレーヤーにとっては『O-Rei Futebol T005』がマッチしやすい設計です。これはアッパーのバランスをデータ分析して導き出したヒール構造の違いで、前足部のカンガルーレザーのアッパー設計の特性との相性を加味してそれぞれ異なったヒール構造が形成されています。

――細部までこだわりのあるアッパーに仕上がっているのですね。前モデルの『O-Rei Futebol T003』と比較するとどういった印象ですか?


Kohei 前足部はカンガルーレザーで中後足部はシェルパーツというアッパー設計は、実は前モデルでも採用されていた仕様です。特にシェルパーツというのはアスレタのスパイク独自のもので、普通の人工皮革とは異なる独特の良さを備えています。そういったシェルパーツとのコンビネーションアッパーが前モデルのときに好評だったため、今回の新スパイクでもシェルパーツの機能性は引き継ぎつつ、随所にさらなるアップグレードを加えて進化を果たしたスパイクになっているのが『O-Rei Futebol T004』と『O-Rei Futebol T005』です。そういった意味では前モデルよりもさらに期待できるスパイクになっていると言えますね。特に、ラバーコーティング加工が新たに採用されたことによる耐久性向上と保形性向上や、アッパー設計のバリエーションが増えたことが大きなポイントです。


実際に履いてプレーしてみても両モデルともそれぞれに良いところがあり、それぞれの機能上の特性がしっかりと発揮されている履き心地を体感することができました。カンガルーレザーのアッパーは簡単にヘタらないように最初は的確な保形性がありますし、シェルパーツのホールド感や安定感も良好。ここからしっかりと使い込んでいくことでカンガルーレザーのアッパーがより足になじみつつ、決して伸びすぎない丈夫さも両立され、安定して良い履き心地を生み出してくれると思います。

――フィット性、安定性、耐久性が兼ね備えられた新スパイクになっているということですね。アウトソール(靴底)などはどういった印象ですか?


Kohei  アスレタのスパイクは2018年モデルからアウトソールと中底が一新され、ソールの屈曲性と剛性が適切に両立されています。中底は部位に応じて2つの硬度の樹脂を採用し、中足部から後足部は高硬度の樹脂を採用することで的確な剛性を出し、前部分は屈曲性を重視してやややわらかい硬度の樹脂を使い、スムーズな屈曲性を実現。アウトソールの中足部から後足部には樹脂を隆起させてリブ構造を形成することで強度と剛性を確保。それによって屈曲性と剛性のバランスが良く仕上がっており、人間の足が屈曲する位置に沿ってソールも一緒に屈曲し、ソール中足部から後足部は剛性があることで不要なねじれを抑え、ソール中足部の落ち込みも防ぎ、安定した履き心地や着地感を生み出せるソールになっています。


 インソールには引き続きグリップタイプのインソールを採用。表面にEVAのグリップ素材を使用し滑り止め効果を備えたインソールが着用中の足裏のズレや滑りを防止してくれます。実際の滑り止めの効力は高く、全力でターンしたときにも足裏が大きく滑ってしまうことがなくて、安定した履き心地に貢献していますね。アッパー、アウトソール、中底に加え、インソールにもこだわっており抜け目がありません。


――では最後に総括をお願いします。

Kohei 今回は2モデルがラインナップされていることで自分の好みに応じて選び分けることができる選択肢が用意されているのが良いところ。ノンステッチレザーの『O-Rei Futebol T004』か、ステッチがあるカンガルーレザーの『O-Rei Futebol T005』かの前足部の設計や特性の違いはもちろんのこと、シェルパーツによる優れたホールド性と安定性もありながら、前モデルからソール・中底・インソールなどの良い部分は引き継ぎつつ、新たにラバーコーティング加工を採用してアッパーの耐久性向上を実現したのは好印象です。アスレタならではのデザイン性は以前から定評がありましたが、そこにフィット性や安定性などの実用性も兼備され、さらに耐久性も追加されたタフな作りの新スパイクは毎日のようにハードに部活に取り組む中高生プレーヤーにとって心強い相棒になりえるスパイクだと言えるでしょう。この機会にぜひサッカーショップでチェックしてみてください。

★アスレタ『O-Rei Futebol』の詳細はこちら

Koheiプロフィール:
日本初のスパイクマイスター。日本全国の部活プレーヤーがサッカースパイク選びの参考にする「Kohei's BLOG」の運営者。これまでに1000足以上のスパイクを着用し、その最新情報や機能性を独自の視点で紹介している。国内でも有数のスパイク目利き力を持ち、プレーヤーの生の足を見れば、その人にマッチするスパイクが何かを見抜くことができる。身長180cm、体重72kg。ポジションはFW、ときどきMF。中学、高校、大学とサッカー部に所属し、現在も社会人チームでプレー。

提供/アスレタ

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