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「ビッグクラブに行け」「長い移動でも質落とすな」カタール目指す若手へ、森保Jベテラン勢の“提言”

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決定力不足に言及した日本代表DF長友佑都(ガラタサライ)

[9.10 W杯アジア2次予選 日本2-0ミャンマー ヤンゴン]

 日本代表のカタールW杯予選は、敵地ヤンゴンでの勝利から幕を開けた。とはいえ2次予選の残り7試合、さらに最終予選の10試合を見据えると、長い道のりはまだ始まったばかり。初戦ミャンマー戦の試合後、過去の歴戦を知るベテラン選手たちからは未来を意識した提言が次々に飛び出した。

 日本代表は10日、ヤンゴンのトゥウンナ・スタジアムでミャンマー代表と対戦。MF中島翔哉(ポルト)、MF南野拓実(ザルツブルク)がそれぞれ前半のうちにゴールを決め、2-0で勝利した。雨季による劣悪なピッチコンディションに加え、初戦に苦しんだ過去を振り返れば、決して悪くない滑り出しだと言える。

 W杯予選は4回目となるDF長友佑都(ガラタサライ)も「初戦を失点ゼロで抑えて危なげなく勝ったのは良かった」と結果には前向き。「もちろんW杯で勝つことを目指しているので課題はまだまだあるけど、過去の入りが悪かったので。僕はそれを知っているので上々の入りだったと思う」と評した。

 一方、懸念材料として挙げたのは「これまで何度も言われてきて、言ってきた」という決定力不足だ。この日は6バック気味に守ってくる相手に対し、シュート30本を放ちながらも2得点。「これだけ攻めている中で、最終的なパスの精度、クロスの精度、シュートの精度が改善できていない」と警鐘を鳴らす。

 では、どうすればそうした最終局面の精度を上げられるのか。長友の答えはシンプル。「厳しい環境で挑戦し続けること」、すなわち「ビッグクラブに行くこと」だ。

「結局、最終的には個の力だと思う。最終的なパスの精度、クロスの精度、シュートの精度は個の力。僕が何度も言っている『厳しい環境で挑戦し続けないといけない』というのはそういうところ」。

「(そうでなくても)良いところまでは行けるけど、個の力が足りないぶん、シュートを外してしまったり、パスがずれてしまったり。世界の最高峰のプレーヤーだと今日みたいな試合だと5点以上は取ってるんですよね。僕が何度も『ビッグクラブでやってほしい』また『僕自身もやりたい』と言うのは、そういうところを分かっているからです」。

 またキャプテンのDF吉田麻也(サウサンプトン)は長距離移動の難しさに言及し、一段階上の基準を提示した。欧州組は日本で行われるキリンチャレンジ杯の場合、欧州と日本を往復する形だが、今回のようなW杯予選では欧州から日本、日本からアウェー開催地、アウェー開催地から欧州といった“三点移動”を強いられるためだ。

 アウェー開催地は交通の便が良いところばかりではなく、「帰るのに2回乗り継がないといけない人もいる」と指摘した吉田は「それをやっても週末にパフォーマンスを落とさないことが成長につながる。この試合でパフォーマンスを落とさないことはもちろん、代表とクラブのサイクルでパフォーマンスが落ちない、怪我をしない、さらに成長していくということが大事になる」と貴重な提言を残した。

(取材・文 竹内達也)
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