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苦しみ、初心に戻った夏。流経大柏MF八木滉史主将「克服することができてきた」

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流通経済大柏高のチームリーダー、MF八木滉史主将

 全国高校サッカー選手権で2年連続準優勝の流通経済大柏高(千葉)が、インターハイ出場を逃した夏から秋・冬の巻き返しへ向けてスタートを切っている。昨年からのレギュラーで大黒柱のMF八木滉史主将(3年)が個人・チームの夏の変化や、ニューカラーコレクション『HARDWIRED PACK(ハードワイヤードパック)』が登場したadidas社製フットボールスパイクの『COPA(コパ)』の感想などについて語った。

―ニューカラーの『COPA』を着用した感想を教えて下さい。
「自分はずっと履いているんで履き心地は変わらなくて良いんですけれども、この色は蛍光色。今までは黒だったり、白だったり、単色が多くて蛍光色を履くのは久々なので、新鮮というのがありますね。自分は白・黒の方が好きなんですけれども、ボールを持った時に足元が目立ったりするので、良いアクセントなのかなと思います」

―『COPA』の良さは?
「(8月25日の)プレミアリーグの尚志戦でも履きました。まだ、3回目とかだったんですけれども、フィット感や馴染み具合は凄く良いので、あまり時間がかからずに自分のものになるのは良いスパイクだと思います。最初から柔らかかったけれど、馴染みやすいですね」

―普通は慣らしながら履くものだと思うが。
「普通は靴ずれがあったり、嫌だなという感覚があると思うんですけれども、そういうのがなくてスッと入りますね」

―つま先やラストの部分など、フィット感は特にどこが良い?
「自分はキックが特長の選手であるので、軸足を置いた時にズレなかったり、少し無理な体勢の時でもあまりブレなかったりというのは凄く良い。かと言って、締め付けられるのはあまり好きじゃない。足首のところが固定されているので動きづらさもあるんですけれども、つま先の部分は中で軽く動かすこともできるし、リラックスできている。自由も効いて、なおかつ締まって欲しいところは締まっているので良いスパイクかなと思います」

―八木君にとっては、キックの感覚でどれだけ良いものが得られるかが大事でもある。
「キックやタッチを大事にしているので、『PREDATOR』とかも表面が硬くてインパクトが出せるのは良い面なんですけれども、『COPA』は柔らかいフワッとした感覚があるのでトラップしやすいですし、運び出しやすいというところがあります」

―あえて、『COPA』にもっと求めたい部分はある?
「自分はこれで足が合っているので、そういう意味では(アッパーの)靴紐のところを一緒(完全一体化)にしてくれても良い。自分からすると、今のままでも全然合っているので良いんですれども、ちょっと被って二重になっているので、そこが変わると尚良いです」

―チームは初の10連休(8月1日~10日頃)があったと。
「和倉(ユース大会)にも参加せず、今年は流経で練習するということで覚悟していたんですけれども、毎日2部練習がある中で(本田裕一郎)監督が『違うものを見てこい』『サッカーしか今までやってこなかったから、違う領域から違うものを持って来い』ということで休みをもらった」

―どう過ごした?
「自分は『サッカーを忘れろ』と言われたので、サッカーの動画やインターハイも見たりしたんですけれども、サッカーのプレーから離れるために少し旅行へ行ったり、寮生なので家族とかかわっていないので旅行に行ったりしました」

―プラスになったところは?
「今までオフがないのが流経は当たり前になっていた。でも、こうやって決められた練習時間や決められたオフがあったことで、言い訳じゃないですけれども、逃げ道がなくなった。やるべきことをしっかりとやって、質のところ、量でごまかさないで質をやるというところがあるので、常に高い要求をし続けられるようになったかなと思いますね」

―1回1回の練習に集中しなければならない。
「今までは3時間、4時間普通にやってきたけれど、1時間半、2時間で終わってしまうと、『(集中しなければ)あっ、終わった』とか。今までだったら長い時間やっていたものが3分とかで終わってゲームに早い段階で入ってしまう。自分から前に出てやらないと自分の練習量が少なくなってしまいますし、そういった意味では週末の試合を考えた時に1時間半でしっかりと上げないと週末の試合でも動けなくなる」

―それでは自主練の時間も増えている。
「そうですね。克服するための時間が増えたので、今までだったらナイターの日は7時、8時前くらいまでやって寮に帰ってすぐに風呂入ってとか時間がなかったけれど、時間が決められているので、自分の足りないところを見つめ返すことができるのは良いところだと思いますね」

―怪我から帰ってきたあとのパフォーマンスはどうかな?
「夏休みオフが10日あってフィジカル的な問題はなく、自分はしっかり上げるところ上げたり、メリハリをつけて体力・フィジカルのところはしっかりと臨めていた。ただ、10連休の前のトレーニングで少し身体がついて来なかったり、頭の中の試合勘がなくなったりしていて、調子を落としてしまう時期があったので……。このチームになって初めてですけれどもBチームで試合に出たり、プレミアで途中出場したり、少し苦しい時期というのを経験したので、自分にとってこの夏はマイナスだけじゃなく結構良いプラスになったところがあると思います」

―コーチ陣からのもっと伸びるためのリクエストだった。
「ダメだった時というのはやっぱり、全てを考えすぎたり、周りを考えすぎて、自分を見失っていたところがあったので、やっぱり去年自分が良かった時というのを振り返ると、がむしゃらに運動量を出して動いていたり、周りのことを気にせずにまず自分がチームに何が必要かを考えてボールを奪ったり、しっかりとパスを繋ぐというところがありましたが、それが少し夏の途中で抜けて運動量が並くらいに落ちたり、ボールにかかわる回数が少なくて少し頭でっかちになってしまった部分があったので、そういうところでは少し先週からですけれども、克服することができてきたかなと思います」

―ここから先へ向けて。
「プレミアリーグは今までにないくらい、下は勝ち点が開いていないので、1回勝てば4位、5位くらいまで上がれて、1回負ければ下位に落ちるという緊迫した戦いになる。ここまで勝てる相手に勝つことができていないので、ここからはしっかりと失点を少なくして、守備の意識を高めて、しっかりと1-0という試合をできるようにしていければ良いと思います」

―個人的には?
「個人的には少し点に絡めていない。少し下で作る時間だったり、守備に回る時間が多いので、もう少しミドルシュートだったり、シュートを意識していくというところと、最後やりきるところに関わっていかないと怖さが出ないと思います」

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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