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土曜日に右肩を亜脱臼…“多少無理してでも出てほしい”法大MF森俊貴が「信頼」に応えた同点弾

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右肩の負傷を押して出場した森俊貴

[9.18 天皇杯4回戦 甲府2-1(延長)法政大 中銀スタ]

 まさに満身創痍だった。法政大のMF森俊貴(4年=栃木ユース)は、14日に行った関東リーグの流通経済大戦で右肩を負傷。そのため、中3日で行われる天皇杯の出場は困難とみられていた。

 しかし背番号14はピッチに立った。ベンチからのスタートになっていたが、1点ビハインドの後半14分に送り込まれると、迎えた同32分、MF紺野和也(4年=武南高/FC東京内定)の右サイドからのクロスに反応。頭に当てて、歓喜の同点弾を決めた。

「狙い通り、僕が欲しいというところにドンピシャでボールをくれました。相手との駆け引きをして僕が触れば入るかなという感覚でした。怪我への怖さですか?みんなのためにという気持ちが勝ったのでなかったです」

 診断の結果は亜脱臼。昨年も同様の負傷に苦しめられた経験があった。完治を目指すには手術をするしかなく、今後も付き合っていくしかない癖になってしまっている。

 ただ法大としては大一番を前に大きな痛手となる森の離脱は避けたい。長山一也監督の考えも同じで、森には「多少無理してでも出てほしい」という話がされたという。

 寄せられた「信頼」、そしてチームのためになりたいという思い。意気に感じた森は土曜日の試合後は全体練習に加わることなくリハビリに専念。少しでもいいコンディションで試合に臨む準備を整えた。

 そして期待に応えた同点弾。チームの勝利に繋がらなかったことで笑顔をみせることはなかったが、Jリーグ創設以降では大学勢として最高に並ぶ天皇杯16強は誇るべき成績だ。

(取材・文 児玉幸洋)
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