Jリーグの村井満チェアマンが24日に会見し、湘南ベルマーレで問題となっているチョウ・キジェ監督のパワーハラスメント疑惑について、初めて口を開いた。

　問題は8月中旬に一部メディアの報道によって判明。同月13日にクラブはチョウ監督がJリーグの調査が終了するまで現場での指揮及び指導を控えると発表。「今回の決定は疑義を正しく審査いただくための措置となります。湘南ベルマーレは本事案に対し引き続き公正に、かつ適切に対処して参ります」と表明していた。

　チェアマンの説明によると、Jリーグが把握したのは7月初旬。日本サッカー協会(JFA)の内部通報窓口に匿名で通報があったことで問題が明るみになった。本来、匿名の通報の場合は行動に動くことはないというが、手紙と電話による通報の内容があまりにも詳細で、内部関係者しか知り得ないと推測されたことから、担当弁護士と協議のうえで行動に移すことにしたという。

　ただし7月中旬にはクラブに調査の依頼を申し出ていたが、夏場の競技日程も考慮した上で、クラブとは8月中旬より調査を進めることで合意。そんな折に一部報道がされたが、事の重大性を鑑みてチェアマン自身もメディアへの接触は控えていたという。調査は4人の弁護団が行っているが、調査の中立性、独立性をしっかり確保するために、現在も接触はしていないとした。

　ただしすでに湘南の選手、スタッフに対する事実確認は終結している模様。あくまでも「今後のイメージ」としたうえで、チェアマンは「弁護士の先生からは早ければ今月中にも何らかの答申を頂ける可能性が高いと思っている。リーグが裁定を行う必要がある場合は、裁定委員会を招集してチェアマンが諮るということになる。10月上旬には一定の方針を示せればと思っている」と説明した。

　湘南はチョウ監督の活動自粛後、高橋健二コーチが代替指揮を執っている。

(取材・文　児玉幸洋)

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