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FW浅野が2年越しの“再出発”ゴール「その悔しさだけは二度と味わいたくない」

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A代表で2年ぶりゴールを決めたFW浅野拓磨(パルチザン)

[10.15 W杯2次予選 日本3-0タジキスタン ドゥシャンベ]

 ロシア行きを決めた歴史的ゴールから2年あまり、日本代表FW浅野拓磨(パルチザン)が今度こそW杯のピッチに立つための再出発を果たした。「目指すべきところは前回行けなかったワールドカップ。そこは変わっていない」。スピード自慢の24歳は新たな姿に生まれ変わりながらも、かつてと変わらぬ夢の舞台を目指す。

 途中出場から19分後の後半38分、右サイドを攻め上がったDF酒井宏樹からのクロスに頭で反応した。「ファーに流れてきたら行けると思った。僕なりにタイミングも合っていたので思いどおりのボールを入れてくれた」。A代表では2017年8月、ロシアW杯行きを決めたアジア最終予選オーストラリア戦以来のゴールだった。

 浅野は2年前、ロシアW杯出場権獲得に大きく貢献したものの、昨夏の本大会メンバーからは落選。その後、クラブでもなかなか出場機会を得られない時期が続き、負傷の影響もありA代表からは1年以上にわたって離れた。それでも今夏、セルビアのパルチザン移籍を決断。そこで任された左サイドハーフのポジションで代表復帰を果たした。

「練習もそこでやっていたし、自分のチームでもそこでプレーしている。チームのプレーを見てあそこで使われたんだと思う」。本職のセンターFWとは違い、とりわけ意識するのは守備。「攻撃の良さを活かすために守備でうまくサボったり、賢くプレーをするために試行錯誤している」と現状を明かす。

 それでもネガティブな気持ちはない。「攻撃はもともと自分の特徴を生かせればチャンスは生まれる。攻撃で爆発的なスピードを出すところプラス守備で体力を使うのか、足し算と引き算をしっかりしながらプレーしないといけない。持ち味は攻撃なのでそこでしっかり勝負をできるように頭を使ってプレーしたい」と前向きに取り組んでいる。

 そうした先に意識するのは、本大会目前で夢を断たれた大舞台だ。「最後の最後で行けなくなるパターンもあるので、その悔しさだけは二度と味わいたくない。いまは目の前のことに100%やるのは変わらないが、いまうまくいかなくても、課題が出ても、焦りや慌てることは必要じゃない」。挫折を味わったストライカーは久しぶりのゴールの味に浸るよりも、3年後に向けた努力を続けていく。

(取材・文 竹内達也)
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