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U-22日本代表メンバー発表 森保一監督会見要旨

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 A代表と東京五輪代表を兼任する森保一監督は5日、都内で会見し、17日のキリンチャレンジカップ・コロンビア戦(Eスタ)に臨むU-22日本代表メンバー22人を発表した。

以下、森保一監督会見要旨

森保一監督
「今回、キリンチャレンジカップということで国内で初めて世界の強豪コロンビアと戦える貴重な場をつくっていただいたことに感謝したい。U-22日本代表はこれまで海外で活動することが多かったが、今回、国内初の国際親善試合ということで、広島の地で我々がこれまでやってきた活動の成果をすべて出せればと思っている。東京五輪に向かって我々はチームの強化を進めている。平和の祭典である五輪に向け、広島で国際親善試合、そして12月には長崎で国際親善試合をやらせていただくことになっている。まずは広島の地で平和をかみ締めて、ピッチ内、そしてスタンドで応援してくださるサポーターの皆さん、メディアを通してU-22日本代表を応援してくださる方々と平和をかみ締めて同じ時間を過ごせればと思っている。皆さんに喜んでもらえるように、勝って、応援してくださるすべての方々に笑顔になってもらえるようにベストを尽くしたい」

―A代表のメンバー発表は明日だが、U-22代表のあとにA代表に合流する可能性もあるのか。
「今回のインターナショナルマッチデーの活動はキルギスで行われるW杯アジア2次予選、そしてU-22代表が広島で行うキリンチャレンジカップ、そのあとにA代表のキリンチャレンジカップが吹田である。結論を言うと、A代表のメンバー発表は明日なので、個人名を挙げるのは控えるが、今回の広島で行われるキリンチャレンジカップに向かうU-22のメンバーはこの活動だけに専念してもらおうかなと思っている。A代表のキルギス戦、日本に戻ってきてからのキリンチャレンジカップ・ベネズエラ戦には、今回広島で戦うU-22代表の選手は合流しないということで理解してもらえればと思っている」

―W杯予選もある中で、A代表で活動してきた堂安、久保をU-22代表に選出した狙いは。
「A代表の活動は間違いなく重要で、アジア予選を軽視しているわけではない。ただ、東京五輪に臨むU-22代表の活動も非常に大切だと考えている。A代表は直近の試合からケガ人(冨安)もいるので、(東京五輪世代の)4人が外れることになると思うが、外れる4人と同等な力を持っている選手、これまでも活躍を見せてくれている選手がいるので、チーム力が落ちるとは思っていない。勝利を目指してキルギス戦を戦うということは理解してもらえると思う。直近の10月の試合でも堂安のポジションを見れば、モンゴル戦は伊東純也を使っているし、タジキスタン戦は堂安を使った。その2試合ともいい試合ができているし、戦力が落ちることはまったくないと思っている。U-22のキリンチャレンジカップに向けては、東京五輪に臨むチームとして国内初試合ということで、現時点でのU-22のベストメンバーだと思っている。東京五輪に向けて最善の準備をしていく、これまでの活動をお披露目する機会だと思っている。U-22世代の選手がこれまで何人かA代表で活動してきているが、来年の東京五輪までの期間の中で、A代表に行っている東京五輪世代の選手をいつ融合させるかというタイミングは常に見ながら活動してきた。A代表でレベルアップする、東京五輪世代のチームで融合していくということをバランスを考えてやってきている。さらにオーバーエイジのことも、目の前の勝利とこれからのチームの発展、チーム作りの中でバランスを考えてやってきて今回の選考につながった」

―A代表の活動もあるが、森保監督がU-22代表の活動に合流するのは。
「U-22代表への合流は(試合)前日の合流になる。これまでも横内コーチがしっかりチームをまとめてくれているし、今回も私が活動のスタートからいるわけではないが、横内コーチを中心にいい準備をしてくれていると思うので、私は前日から合流して、選手たちの成長を試合の中で見るのを楽しみにしている」

―先月、敵地でブラジルに勝利したが、横内コーチからフィードバックを受けたか。
「横内コーチから報告を受けてというか、これまでの活動はずっと私が合流できないときはお願いしているが、継続してやろうとしていることが間違いなくレベルアップできてきているなと毎回のU-22の活動で見させてもらっているし、報告も受けている。直近のブラジルで行われたブラジル戦も逆転勝ちをおさめたということで、アウェーの地で絶対に勝たないといけないと思っているブラジルに勝つのは簡単なことではないし、その中で勝利をおさめることができたのはこれまでやってきたことが成果として表れているのかなと思っている。直近のブラジルだけでなく、メキシコ・アメリカ遠征、6月のトゥーロンでもその世代の選手たちが成長を見せてくれているし、世界のどういう相手と戦っても対等以上に戦えることを見せてくれている。横内コーチは広島時代から私の一番近くで支えてくれているし、私ができないことをいろいろ働きかけてくれてチームの活動がうまくいっている。私が合流できないときには横内コーチが持っている力をチーム作りに存分に発揮してくれていると思うし、チームがいい方向に進んでいると思う。その活動を久しぶりに広島の地でできること、選手の成長が見れることを今から心待ちにしている」

―海外組の板倉や菅原は代表とクラブで異なるポジションをやっているが。
「我々がしてきた代表活動の中で行ってきたポジションとは違うポジションでプレーしている選手もいる。今回、ポジション別に名前を載せている中で、そのポジションでプレーしてもらうかもしれないし、集合して、練習を見て、選手のコンディションを見て、違うポジションでプレーしてもらうことも選択肢に持ちながら活動につなげていきたいと思う。五輪を見据えたときに五輪のメンバーは18人しか選べない。その中でおそらく酷暑の中、戦わないといけない。6試合戦うことになると思うので、一人の選手が一つのポジションしかできないということではその6試合を乗り切っていけないと思っている。選手にはスペシャルなポジションがありつつも複数のポジションにトライして、プレーとしても見せてくれているので、今回もどういうチャレンジになるかは分からないが、練習を見て最終的に試合のメンバーを決めていくことになると思う。選手がいろんなポジションでトライしてくれているのは、五輪を目指すチームにとってもプラスだとポジティブに捉えている」

―11月というタイミングでA代表で活動していた選手を合流させた理由は。
「構想はあるが、アンダー世代の活動はこれまでもいろんな条件がある中で、毎回どういうメンバー選考で活動したほうがいいのかを考えながらやってきている。毎回同じメンバーで活動していることはないので、これからどういう条件があるのか、あるいは選手のコンディション、ケガも含めてどういう事態になるのか分からないので、そこは臨機応変にやっていきたいが、我々は代表活動の中で融合は常に考えながらやってきているし、A代表をはじめとして、よりレベルアップすることを全体的にどれだけできるかを考えている。融合も今回だけがベストのタイミングとは思っていなくて、これから先の12月、来年の活動も踏まえてプランの選択肢は持っているが、そのときの状況にもよるので、今回はまず融合できるタイミングかなという選択の下、ケガ人を除いてベストなメンバーで活動させてもらうことになった。来年もインターナショナルマッチデーの中で、いろんな大会がある中で融合というものは考えているが、今ここでこの大会、この期間はベストな選考ができる、東京五輪に向けてのベストなチームでの活動ができると言うことは控えたいと思う。言ったことが嘘になるといけないので、その活動のときに発表させてもらうということでご理解いただければ」

―広島と長崎で国際親善試合を行うことについて。
「これまでの人生の中で、長崎で高校を卒業するまで生活していて、それから広島で人生で一番多くの時間を過ごしてきた。その2つの土地は世界で2つしかない原爆の被爆地であるということ。そこで生活してきて多くの方に支えていただいてきた中で、この2つの地域でキリンチャレンジカップを行えることに非常にありがたいと思うし、感謝したい。五輪は平和の祭典だと思っている。東京五輪を目指すU-22代表が国内で初めて試合をする、ここから五輪に向けてさらにいい準備をしていくために、この2つの県で試合をするというのは、五輪の意義を考えるとともに、平和があるから我々の好きなことができるということ、それをピッチ内外、代表の試合を見て下さるすべての方に感じてもらいながら試合の時間を共有できればと思っている。歴史の細かいところを話すことはできないが、広島と長崎は原爆が投下されて街が焼け野原になる、多くの犠牲者が出る、今もなお心の苦しみ、痛みを持って生活している人もいる中で、まずは犠牲になられた方々にご冥福をお祈りしながら試合をするということ。そして、まだまだ心に痛みを抱えている方に対して、我々の試合を見てもらって励ましになるようなことにつながっていけばと思っている。今、スタジアムができて試合ができるということ。我々が豊かに生活できるということは、原爆が投下されてから街の復興に多くの方々が尽力してくださって現在につながっている。そういう先人の方々に感謝の気持ちを持ちながら試合に臨むことができればと思っている。今回は広島、長崎ということで話をしているが、近年、日本でも世界でも自然災害や人為的なことによって多くの犠牲者、被災者がいる。そういう方々に少しでも元気になってもらえるように、復興、復旧に向けて粘り強くタフに戦い抜いてもらえるように、我々の戦いを見てメッセージとして伝わればと思っている」

―U-17W杯で活躍している西川潤の評価は。来年の東京五輪に入る可能性は。
「映像で試合は見ているが、日本代表の攻撃を牽引しているし、素晴らしいプレーをしていると思う。結果としてもチームを勝利に導く、得点を挙げる、得点に絡むプレーができていると思う。東京五輪に向けてだが、もちろんいいプレーをして、力があれば、権利のある世代の選手はすべて候補に入ってくると思う」

―東京五輪でオーバーエイジは使うか、使わないか、それともまだ決めていないか。
「まだ決めていないが、オーバーエイジも含めて東京五輪で金メダルを取るために最強のメンバーを招集したいと思う。選択肢には入っているが、選ぶかどうかは最強のメンバーだと思うところにオーバーエイジの選手がいることもあれば、そうでないこともあると、現段階では考えている」

(取材・文 西山紘平)
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