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ロシア落選した23歳井手口、大怪我からの代表復帰「あの経験が良かったねと…」

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日本代表MF井手口陽介(G大阪)

 最後の最後で届かなかった夢舞台——。あれから約1年半、MF井手口陽介(G大阪)が日本代表に帰ってきた。ロシアW杯は直前でメンバーから漏れ、再起を期した欧州挑戦も大怪我で棒に振った悲運のMF。それでも招集選手中最年少の23歳は「あの経験が良かったねと言われる結果を出していきたい」と力強く語った。

 2017年8月のロシアW杯最終予選・オーストラリア戦、当時国際Aマッチ3試合目の井手口は強烈なミドルシュートで初ゴールを決め、本大会出場に大きく貢献した。しかし、翌冬の欧州移籍で思うような出番を得られずにいると、監督交代の余波もあり本大会メンバーから落選。バックアップメンバーとして事前合宿地に帯同するにとどまった。

「見返してやる」。そんな思いで欧州での飛躍を志した井手口だったが、18年夏には当時所属していたグロイター・フュルトで右膝後十字靭帯断裂の大怪我に直面。さらに復帰が近づいた今年冬にも半月板を損傷し、長期離脱を強いられた末、今夏から古巣のG大阪に復帰する道を選んだ。

 8月10日のJ1第22節広島戦でJリーグ復帰戦を飾った井手口は、直近8試合で先発出場を継続。その活躍が評価されて森保ジャパン初招集に至った。「ロシアのメンバーに入ってもおかしくないところまで実力を持っている選手と言うことで、現在のコンディションを見て招集した」。森保一監督もメンバー発表会見の場で、揺るがぬ信頼を語った。

 そうした迎えた大阪合宿初日、井手口は「森保さんになって初めて呼んでもらったので、自分の良さを練習から出してアピールしていかないと残っていけない」と述べ、「ゼロからのスタート」を強調した。これまでの日本代表の戦いぶりは「一ファンとして見ていた」といい、「怪我もあったので焦りはなかった」と自然体な姿勢も見せた。

 そんな井手口は今回の合宿に向け、“前回のW杯に届かなかった”という立場ではなく“森保ジャパンに初めて呼ばれた”という立場で挑む。復帰初陣の舞台はG大阪の本拠地パナソニックスタジアム吹田。「代表で吹田でやったことがなかったし、ガンバのホームスタジアムでもあるので楽しみ」。故郷のサポーターの期待も胸に抱き、若きMFが再び日の丸を背負う。

(取材・文 竹内達也)
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