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「久保はいない?」ジョークまじえたベネズエラ指揮官、日本戦は「非常に重要」

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ベネズエラ代表のラファエル・ドゥダメル監督

 ベネズエラ代表のラファエル・ドゥダメル監督は18日、キリンチャレンジカップ・日本代表戦(19日・パナスタ)に向けた公式会見に出席した。日本の報道陣から警戒すべき選手を問われて「久保(MF久保建英)はいないと理解しているが、それは合っているか? それなら状況はよりやりやすくなる」と冗談をまじえて語る場面もあった。

 昨年11月に大分で対戦(△1-1)して以来の来日となったベネズエラ代表。就任4年目のドゥダメル監督は「日本の大阪でFIFAの国際Aマッチデーを戦うことができてうれしく思っている。来年3月に始まる南米予選に向けた最後の親善試合なので、非常に重要な意味を持った試合になる。日本のようにレベルも高く、要求度が高いチームを相手に1年の締めくくりができてうれしい」と心境を語った。

 育成年代の監督も歴任してきたドゥダメル監督にとって、日本は2017年のU-20ワールドカップ決勝トーナメント1回戦でも対戦した縁ある相手。「他国の代表と同じように多くのことを学ぼうと、常に注意深く情報を追っている。連携とれた組織的なプレーが素晴らしく、ダイナミックでインテンシティ高い試合をできるチーム。日本のホームで戦えることをうれしく思っている。勝利を収めるために全力で戦わなければならない」とリスペクトを語る。

 とはいえ、近年の実績はベネズエラが優勢だ。U-20W杯ではMF堂安律、DF冨安健洋、久保らを擁した東京五輪世代を延長戦の末に1-0で撃破。その後、並み居る強豪を倒して準優勝に輝いた。日本戦で決勝ゴールを決めたMFジャンヘル・エレーラをはじめ、GKウイルケル・ファリニェス、DFロナルド・エルナンデス、MFジェフェルソン・ソテルドらはA代表として来日メンバーにも入っている。

「あの大会で私たちが手にした準優勝のタイトルは非常に喜ばしいものだった。素晴らしい選手に恵まれ、彼らと強化を行い、たくさんの親善試合をしたという長年のプロセスの成果だった。エレーラ、ソテルド、フェリニェス、エルナンデスはA代表でも貢献してくれている。彼らはチーム内での競争を促す役割もしてくれている」。

 日本代表の森保一監督と同様、ベネズエラでも育成年代との兼任監督によって世代間融合が進んでいるベネズエラ。それでもドゥダメル監督は華々しい実績に満足せず、「ただそれはもう過去のこと。良い思い出として取っておいて、あの結果をもたらしてくれた素晴らしい選手たちと次の予選に進んでいきたい」と意欲を語った。

 そんなベネズエラの悲願は来年3月に始まる南米予選を制し、初のワールドカップ出場を決めること。「南米予選は非常に要求が高く、対戦国のタイプも異なる。ここまでさまざまな親善試合で準備をしてきたが、選手が経験値を詰み、より成熟し、南米予選に臨んでいこうとしている。これまでは正しい道を進んできた。願わくば初出場への切符を手にしたい」。ベネズエラにとって、日本戦はW杯予選前最後の親善試合。新戦力の融合を進める森保ジャパンの前に、本気の相手が立ちはだかる。

(取材・文 竹内達也)
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