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インハイ後“本職”に戻った明秀日立MF大山晟那主将、舵取り役で優勝に導く:茨城

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明秀日立の主将MF大山晟那(3年)

[11.17 高校選手権茨城県予選決勝 鹿島学園0-1明秀日立 カシマ]

 3連覇を達成した明秀日立高が今年度初の全国大会に挑む。昨年は県3冠を達成し、年度当初に掲げた目標は全国制覇だったが、関東大会予選3位、インターハイ予選準優勝と苦戦。そこから這い上がったチームは夏以降にギアを上げ、選手権切符は譲らなかった。

 中盤でボールを落ち着かせ、試合をコントロールするダブルボランチMF大山晟那(3年)とMF中熊岳琉(2年)の存在は序盤から大きかった。ロングボールを使い、ピッチの幅を使った攻撃を展開し、ポゼッションを高めた。シュート数は7対10と鹿島学園に攻め込まれる場面も多かったが、萬場努監督のプランを遂行し、勝負強さで上回った。

 総体準決勝は延長戦の末に鹿島学園を2-1で下したが、決勝で水戸商に敗戦。そのインハイ後、大山主将はFWから本職とするボランチに戻った。自らが攻撃の急先鋒に立つよりも、中盤でバランスを取り、試合を組み立てる方が勝利に近づくと判断。練習の中で自らボランチに入り、「手応えを感じた」という。

「ボランチに戻ってからは、自分が主導権を握れればチームは勝てると思っている。勝敗が委ねられる責任も感じる」。中盤の舵取り役を担う大山は「相手の穴だったり嫌なところ、狙っていたところを突いた」という多彩なパスで試合を動かし、勝利を呼び込んだ。

 難しい期間もあったが、夏の敗戦を乗り越え、全国出場につなげた明秀日立。12月31日の選手権1回戦は高知高(高知)との対戦が決まった。茨城県を背負って立つ冬の檜舞台。「選手権の雰囲気は独特だし、それに飲まれないメンタルを一か月で作っていく。見ている人の心を動かすサッカーをしたい」と意気込みを語った。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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