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1部初昇格の立正大、インカレ初出場が決定! 3戦連続弾のFW人見は得点ランク単独首位に

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FW人見拓哉(4年=矢板中央高)が3試合連続得点

[11.17 関東大学サッカー1部第21節 立正大1-0中央大 フクアリ]

 今季1部初挑戦となった立正大中央大に1-0で勝利。12月に行われる全日本大学選手権(インカレ)への挑戦権を初めて獲得した。

 前日にインカレ出場権争いをしていた筑波大がドローに終わり、法政大も敗戦。ほぼ全国行きが決定していたものの、自らの勝利で決定させるべく、昨季ともに1部に昇格した中大との一戦に臨んだ。

 立正大は3-4-2-1の布陣で、最前線に得点ランクトップタイのFW人見拓哉(4年=矢板中央高)を配置。2シャドーにMF平松昇(3年=清水ユース)とMF藤森亮志(4年=上田西高)を置き、3枚で攻撃を牽引していく。右サイドにMF鈴木康孝(3年=矢板中央高)、左サイドにアシストランク首位のMF武田夏輝(4年=清水ユース)を起用。ボランチはMF梅村豪(3年=清水ユース)、MF秦野寛悟(4年=市立船橋高)、3バックは右からDF丸修平(2年=浜名高)、DF半田尚之(3年=市立船橋高)、DF今村晃(4年=市立船橋高)。ゴールをGK渡辺聖也(4年=帝京高)が守る。

 中大は4-1-2-3の布陣。GK飯吉将通(3年=新潟西高)、右SB荒木遼太(1年=興國高)、CB松本大輔(3年=帝京三高)、CB深澤大輝(3年=東京Vユース/東京V内定)、左SB今掛航貴(3年=興國高)が守備に並ぶ。MF中村亮太朗(4年=新潟明訓高/甲府内定)がアンカーで配置され、インサイドハーフにはMF高岸憲伸(2年=星稜高)、MF曾根大和(2年=藤枝東高)。右FWに本間椋(3年=昌平高)、左FWに鈴木翔太(1年=静岡学園高)、そして中央にFW高窪健人(3年=浦和南高)を起用した。

 序盤から試合は動く。前半10分、立正大は人見がバイタルエリアまでボールを運ぶと、平松とのワンツーで相手守備陣の裏に潜り込み、そのまま相手GKとの1対1へ。完璧な崩しから冷静にゴール右隅に流し込んだ。

 立正大は得点後から試合を巧みにコントロール。前半24分、秦野が相手の縦パスをカットしてそのまま起点となりカウンターへ。人見からのパスを鈴木康が右サイドで受け、そのままクロスを上げるが、惜しくも相手GKにキャッチされた。一方、中大は35分、FKを高岸が蹴り上げ、松本が頭で合わせるが、相手GKにキャッチされる。3分後には中村が中盤からPA内への縦パスを狙うが、惜しくもカットされた。

 後半に入ると中大が少しずつペースを握る。前半16分には曾根に代えてFW加藤陸次樹(4年=広島ユース/金沢内定)を投入。22分には高岸がミドルを放つが、わずかにゴール左外に逸れていく。直後には本間が足を攣ってしまい、代わってFW竹村史明(2年=神戸弘陵高)が入った。

 立正大も後半28分に丸が足を攣ってDF吉野巧人(4年=帝京三高)を投入。さらに藤森に代えてFW見原慧(4年=新潟西高)も出場する。守備時には両サイドのMFが下がり、最終ラインを5枚にして守備を固めていった。

 終盤には中大がチャンスを量産。後半40分、加藤が中盤から右足ミドルを狙うが、ゴールの枠の外へ。高岸から竹村へのパスはオフサイドに。43分には荒木の右サイドからのクロスに、加藤がPA中央でボレーを放つもミートせず。猛攻撃も結実しないまま、試合はそのまま終了した。

 勝利でインカレ出場を決定づけた立正大。16年に都1部リーグ2位となり2部リーグ昇格を果たすと、17年には2部8位、そして18年に2部2位で昇格を果たした。初挑戦の1部でも勢いは留まらず、一時2位まで順位を伸ばすと、総理大臣杯予選も兼ねるアミノバイタルカップでは準優勝。初出場の総理大臣杯では準々決勝敗退となるも、着実に実力を伸ばしてきた。

 そして掴んだインカレ出場権。杉田守監督は「自分たちで勝って決められたっていうのは大きい」と自力出場に胸を張る。中大とは昨季までの2部リーグでも戦ってきたが、この3年間では一度も勝利なし。「相手にボールを握られる時間も多くなるかなというのはあったので、それを耐えてカウンター。我々の良いところが出たかなという部分はありますね。しっかり守備をする。奪った後は早く攻めるという部分ができたかな」と試合を振り返った。

 得点源となった人見について「彼が良い形で起点になれていたので、そこがキーだった」と称賛しつつも、「あれだけボールを動かされて足を攣る選手が出た中で、0に抑えられた。守備をしっかりやれていたから勝てた」と3試合連続で完封を達成した守備面の成長にも目を細めた。

 人見は今季16点目で得点ランク単独トップに。「集中して試合に入れていないと思っていたので、常に相手の隙をうかがっていた」とチャンスを狙い、早々の先制点につながった。今季3度目のハットトリックから続く3試合連続得点。しかしチームの点取り屋は「チームのみんなが自分を信じて最後にパスを出してくれる。個人としての点というよりは、チーム全員で取った点」と一人の得点ではないことを強調する。

「チームとして掲げた目標がインカレ出場だった」とインカレ出場には喜びを示し、「去年は外から見ているだけだったので、この舞台に立ちたいという思いもあった」とその強い思いを語る。初の全国となった夏の総理大臣杯は8強で敗退。「大臣杯でも悔しい思いをしていて、インカレ出場でたぶんみんな満足はしていない。チームで出ていない選手も含めて、応援している選手のためにも、出ている選手は責任を持ってプレーしなきゃいけないかなと思います」と意気込んだ。

(取材・文 石川祐介)
●第93回関東大学L特集

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