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日本vsベネズエラ 試合後の森保一監督会見要旨

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日本代表の森保一監督

[11.19 キリンチャレンジ杯 日本1-4ベネズエラ パナスタ]

 日本代表は19日、パナソニックスタジアム吹田で行われたキリンチャレンジカップでベネズエラ代表と対戦し、1-4で敗れた。

以下、試合後の森保一監督会見要旨

森保一監督
「ホームのパナソニックスタジアム吹田で戦う中、スタジアムに3万3399人のサポーターが駆けつけてくれて、メディアの皆さんを通してたくさんの方々が我々日本代表を応援してくださったと思うが、応援してくださった方々に勝利を届けられず、非常に残念に思う。選手はスタートから勝ちたいという思いを持って試合に臨んでくれたと思うが、攻撃ではビルドアップの部分、シュートまでつなげる部分でパスの連係連動やクオリティーの部分が少し足りず、相手に付け込まれた。ディフェンスの部分ではボール保持者に対して少し間合いが遠く、うまくプレッシャーをかけられずに失点を重ねていったところは反省しないといけないし、今日の敗因かなと思う。しかしながら後半は、選手たちが前半の結果を受けて心が折れてしまい、集中力が切れる展開になるかもしれない中、もう一度顔を上げて、自分を奮い立たせてくれて、得点を奪う、アグレッシブに戦う、最後まで粘り強く戦うところを示してくれたのは、やらなければいけない選手の責任を果たしてくれたと思う。結果の責任については、準備の段階での私の選手、チームに対する働きかけだと思うので反省しないといけない」

―U-22日本代表のコロンビア戦もそうだが、取りに行っても取り切れない課題がある。
「代表で活動するときに、国際大会、世界の舞台で勝っていくためのインテンシティー、プレーのクオリティーというものをもっと選手に働きかけていきつつ、選手が肌で感じられるような経験をしてもらえるようにしていきたい。代表の経験を持ち帰ってもらって、自チームでさらに上げないといけないところをトライしてほしい」

―中島は頭で考えているイメージと実際のプレーに開きがあって悩んでいる印象がある。
「今の彼が置かれている現状を考えると、試合に常時出ているという状況ではないので、自分の持っているイメージと動きというものにギャップがあるのかどうかは分からないが、試合でのコンディションというところでは、これまでと違ったところはあるのかなと思う。しかしながら、今日のゲームでもチャンスの部分ではクオリティーを発揮してくれて、決めることはできなかったが、最後のシュートチャンスに絡む良さは継続してくれているのではないかと思う」

―古橋は持ち味を出していたように見えたが、評価は。
「特徴を発揮できていたと感じて質問していただいたと思うが、彼の持っている攻撃の特徴、攻守にわたってハードワークできるところは後半、出してもらえたと思う。最後、決め切るチャンスもあったところで、そこを決め切る部分はチームの中で上げていってもらえればと思う。非常に思い切ってプレーしてくれて、自分の特徴を後半の45分で発揮してくれたと思う」

―働きかけの部分で反省というのは。
「うまく結果につながらなかったのは、監督として準備の部分で何か問題があったのではないのかなと考えて話をさせてもらった。トレーニングの内容で言うと、相手のプレッシャーがきつい中で攻撃の形を作るという部分で、連係連動のトレーニングをしたが、もっとクオリティーを求めてプレッシャーの中でプレーすること、試合に近い、あるいは試合よりも難しい形でトレーニングすることが必要なのかなと思っている」

―実質、3チームを編成し、3試合戦ったが、達成できた成果はあるか。
「達成できた成果としては、3分の1は達成できて、3分の2は達成できなかったと思う。1勝2敗という結果を受けて、すべて勝つつもりで準備してメンバーを編成して臨んだが、勝利につながったのは1試合で、2連敗したという結果がすべてだと思う。U-22日本代表のコロンビア戦については、アンダー世代だが、FIFAランキング10位の世界の強豪と相手のコンディションが良い中、相手のメンバーも良い中で戦えた。今回のベネズエラも直近の試合がなくなってコンディションが非常に良い中で今日の試合ができた。世界の強豪に勝っていくために、我々が超えないといけない壁、追いつかないといけない相手の力を感じながら試合ができた。負けて良しはないが、敗戦の中にも成長できるものを得られたと思う。こういう強いチームをキリンチャレンジカップで呼んでもらって、強化の試合をさせていただけるのは非常にありがたいことだと思っている」

―この結果を受け、長期的なプランに影響はあるか。
「長期的なプランに影響があることは基本的にはないかなと思っている。活動を通して多くの選手を見ていく中、今後どの選手がこのグループの中に残っていくのかというところはあるのかなと。それは活動してみないと分からないこと。いいこともそうでないことも含めて、いろんなことが見えて、活動としてはプランに影響はないと思う」

―ハーフタイムに選手にはどんな働きかけをしたのか。
「前半の結果については、もう時間を巻き戻すことはできないので変えることはできないが、まず我々がやらなければならないこと、選手にやってほしいことは勝利を目指して戦うことで、勝利という結果を見ている人に届けることにはこだわらないといけない。そこに約束されたことはないが、選手たちに言ったのは、後半もう一度顔を上げて最後まで戦う姿勢を見せること。そして1点ずつしか取れないが、1点でも追いつくことを考えて、最後まで戦おうということは言った。勝っていても負けていても、選手たちに求めている責任は自分の力を100%出して、最後まであきらめずに戦うこと。チームとして糸の切れた凧のようにバラバラになっていくのではなく、最後までチームとして戦い続けることは選手の責任として考えてもらいたいと思っている中で、選手はそういうパフォーマンスを後半は見せてくれたと思う。前半の結果を受けて、相手のテンションも変わってくるが、こちらのギアが上がらない状態であれば、後半はもっと差を広げられていたと思う。負けてしまうと説得力はないが、応援してくださる方々、ここにいる皆さんも普段、楽して生活している人はいないと思う。近年、日本全国で自然災害等々で自分の生活を失ったり、苦しんでいたり、心に傷を負っている人が多い中で、試合の中で最後までタフに粘り強く戦うことを日本代表としてメッセージとして送ろうと話しているし、今日の後半については、心が折れて足を止めるのはなく、歩みを続け、走り続けることをしてくれたことに関しては選手の責任を評価したいと思う」

―選手交代は予定どおりだったか。
「選択肢を持ってやっていた中で、時間帯についてはだいたい考えたものに近かったと思う。交代枠が6人あったので、全部使って試合をするプランでいたが、最後に1枚余らせたというところはプランどおりではなかった」

(取材・文 西山紘平)

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