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8人部屋、16人部屋寮生活で培われた明治大の強さ

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明治大から今季は現時点で6名がJリーグに進む

 今年も明治大から現在、6名の選手がJリーグに進むことが決まっている。明治大OBのJリーガーはここ5年で30名を超えており、他大の追随を許さない圧倒的な数字となっている。

 その選手の多くは練習場である八幡山グラウンドに併設するサッカー部寮で4年間、寝食をともにする生活を送った選手たちだ。住所は東京都世田谷区。最寄り駅は京王線で新宿から7駅の八幡山で、大学生生活を送るには何不自由ない好立地と言える。サッカー部寮は2階建てで、1階部分には食堂や風呂などがあり、2階部分にベッドスペースになっている。

 ただそのベッドスペースは1部屋に二段ベッドが4つ、もしくは8つと設置されているもので、基本的に“個人スペース”はベッド内のみとなる。平日の門限は11時。それ以降は部屋の電気が消え、カーテンで仕切ったベッド内で過ごしている。

明治大学のサッカー部寮

 しかしこの寮生活が部員の“心”を強くしている。27日に行われたJリーグ内定選手の合同記者会見でMF瀬古樹(4年=三菱養和SCユース/横浜FC内定)が「8人部屋と16人部屋という素晴らしい環境の中で、サッカーでも私生活でもチームを作り上げてることが出来たことが強さの秘訣」と話せば、MF中村健人(4年=東福岡高/鹿児島内定)も「常に仲間が隣にいるという生活が、明治大学のチームワークを作っているんじゃないか」と同調する。

 さらに中村はこの環境が自分を成長させてくれたと自負しているという。「最初は戸惑いもあったけど、何だかんだみんなと距離感が近いのに、いざこざもない。多少のストレスはあるけど、今では過ごしやすささえ感じている。集中できる環境でよかった」と感謝を語る。

 だが美談だけで済ますことがなってきている現状もある。建物は平成5年に建て替えられたものだが、老朽化が進んでいる。また今年入学した身長2mのFW赤井裕貴(1年=帝京高)といったベッドに収まりきらない選手も出てきている。自身も寮生活経験者である栗田大輔監督は「住めば都で面白いんですけどね」とした上で、「本音を言えば選手たちにはいい環境を与えたい。だから早く建て替えてほしい」と話す。しかし学校の判断に任せるしかないということだ。

 ベッドスペースの柱には歴代OBの名前が書かれたままとなっている。感じさせる歴史と伝統。栗田監督が言う「結果論」なのかもしれないが、明治大の強さの一因、多くのJリーガーを輩出する実績が、より説得力を持たせている。

(取材・文 児玉幸洋)
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