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“歴史的惨敗”の教訓は…森保監督「これからも厳しい目を持って働きかけたい」

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ベネズエラに1-4で敗れた日本代表

 日本代表森保一監督は4日、EAFF E-1選手権に向けたメンバー発表会見に出席し、11月のキリンチャレンジ杯・ベネズエラ戦(●1-4)を振り返った。「思っていなかった結果というか、われわれが描いていなかった結果」とした上で、歴史的惨敗の発端となった1失点目の分析も行った。

 日本代表は11月19日、パナソニックスタジアム吹田でベネズエラ代表と対戦した。序盤から次々に失点を重ねた森保ジャパンは前半だけで4ゴールを献上。日本代表公式記録集によると、前半の4失点は1923年5月24日の極東選手権大会・中華民国戦、1954年5月1日のアジア競技大会・インドネシア戦に続き65年ぶり3度目の惨事となった。

 メンバー発表会見の場では、MFジェフェルソン・ソテルドのクロスにFWサロモン・ロンドンが合わせた1点目がフォーカスされた。日本から見ると、中盤の守備ブロックが相手の侵入を止めきれず、DF室屋成(FC東京)がクロッサーのソテルドに寄せられないまま、DF佐々木翔(広島)が空中戦でロンドンに競り負けるという流れだった。

 森保監督は「最後は高さや強さというところ、そこで相手に上回られて失点というのはあった」と最終局面の問題を指摘しつつ、「得点されたのはそのシーンだが、原因は他のところにあったと思う」と述べた。とりわけ問題視したのは、右サイドバックの室屋によるソテルドに対する守備対応だ。

「ボール保持者にファーストディフェンダーがプレッシャーかけられずに、相手に自由にプレーされた」。そう指摘した指揮官は「相手に寄せることができていれば。バックパスをさせる、後ろを向かせる守備ができていれば得点は生まれなかった」と述べ、「相手に間合いを詰めること、ボールにアタックすることが必要だった」と振り返った。

 その上で「ボール保持者に自由にやらせると、世界の強豪は技術を発揮してきて、我々にとってピンチな局面を作られてしまう。ボールに近くなればなるほどボール保持者にプレッシャーをかけることが、のちのちのディフェンスの助けになるということは、これからも厳しい目を持ってトレーニングから働きかけたい」と今後に向けた教訓も語った。

 国内組だけで臨むE-1選手権の期間中には、そうした個々の対応レベルも上げていく構えだ。森保監督は「厳しい戦いの中で経験値を上げて、個のレベルアップをしてもらうことが日本の層の厚さにつながっていく」としつつ、「競争の世界では当たり前のことだが、こういう大会で力を発揮できなければこの競争を生き残ってはいけないということも踏まえて経験してもらえれば」と激しい競争を求めた。

(取材・文 竹内達也)
●EAFF E-1選手権2019特集ページ

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