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11日間で4試合目の“大一番”。東福岡は過密日程突破目指すも、連覇は6でストップ

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東福岡高は0-1で敗れ、連覇が6でストップ

[12.4 選手権福岡県予選決勝 東福岡高 0-1 筑陽学園高 レベスタ]
 
 過密日程を勝ち抜くことができなかった。MF荒木遼太郎主将(3年)がU-17ワールドカップ日本代表候補選手だった関係で、東福岡高は11月27日の準決勝(対東海大福岡高)が初戦。同24日と12月1日にプレミアリーグWESTの試合が行われ、この日の決勝が11日間で4試合目となる公式戦の“大一番”だった。

 プレミアリーグWESTでは降格圏9位の福岡U-18と勝ち点3差、得失点は7差と優位な状況にあるものの、残留決定は12月8日の最終節の結果次第。連戦の中で「高校年代最高峰のリーグ戦」プレミアリーグWEST残留を目指す戦いと、激戦区・福岡での選手権予選7連覇を勝ち取ることの両立は簡単なノルマではなかった。

 大黒柱の荒木が11月24日の試合で負傷するなどけが人も多い中、東福岡はメンバーを入れ替えるなど試行錯誤しながら、連戦を乗り越えようとしていた。だが、この日は0-1で敗戦。森重潤也監督は「何とか結果に結びつけようとしていたけれども、そこでなかなか結果に結びつかない難しさを感じたという風には思います」と語っていた。

 前半はスピーディーパスワークやサイド攻撃など“東福岡らしい”戦いを表現できず、荒木を投入した後半は勢いを増したものの、仕掛ける姿勢を欠いた。相手の好守があったことは間違いないが、公式記録上のシュート数はわずか2本。CKも1本とセットプレーの数を増やすこともできなかった。

 2年生MF上田瑞季は「正直、(荒木)遼太郎君が出てきた瞬間にホッとした部分もあったと思うし、そういうところで遼太郎君頼みになっていた部分もあったと思う」と語り、「本当に情けなかったですね、自分が。もうちょっと3年生のために走れる部分もあったと思うし、決めれるチャンスもあったと思うので、もっと後悔が残ってしまったかなと思います」と唇を噛んだ。

 この日は一般の同級生たちも多く応援に駆けつけ、ピッチで戦う選手に声援を送っていた。それに応えることができずに、7年ぶりの予選敗退。森重監督は上田やMF青木俊輔(2年)ら1、2年生へ向けて「(3年生の涙する姿を)後輩たちが目に焼き付けて、結果を出すことの難しさだったり、泥臭くてでも勝負に対するこだわりというのを持っていかないといけない部分もあるんじゃないかと思います」と期待していた。

 12月8日にプレミアリーグWEST残留が決まれば、セカンドチームがプリンスリーグ九州参入戦に進出。新チームは1月の県新人戦で8連覇に挑戦する。来季の10番候補である上田は「また一からやるしかないなと思います。(来年の選手権は)日本一という形で。来年(の県決勝)は絶対に3-0とか、4-0とか大差で勝って、全国の舞台に立って、遼太郎君たちに報告できれば良いと思います」と誓った。近年、福岡県内で圧倒的な強さを見せ続け、全国タイトルも獲得している“赤い彗星”は、この日の敗戦を絶対に「無駄にしない」。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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