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3発好発進!「負ける気がしない」横浜FCでブレイクMF松尾擁する仙台大が“2回戦の壁”挑戦

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仙台大が3-0と好発進を決めた

[12.11 大学選手権1回戦 仙台大3-0桃山学院大 AGFフィールド]

 第68回全日本大学サッカー選手権大会の1回戦が11日に行われ、AGFフィールドの第2試合では仙台大(東北1)が桃山学院大(関西4)に3-0で勝利し、初戦を突破した。14日の2回戦では中央大(関東5)と対戦する。

 今季の仙台大は“エース不在”という特異な1年を送ってきた。10番MF松尾佑介(4年=浦和ユース)は6月に横浜FCへの入団が発表になると、同時に特別指定選手として登録。そして同月Jリーグデビューを飾ると、瞬く間に欠かせない戦力になった。天皇杯や総理大臣杯での復帰はあったが、それ以外は横浜FCに帯同。半年間、ほぼチームに合流することがなかった。

 ただそのことがチームのレベルアップに繋がったと感じている。まずイレブンは何より試合に臨む姿勢など松尾の意識の変化に驚いたという。FW岩渕弘人(4年=遠野高)は「J2で活躍したことを自分たちに還元してくれている」と笑顔。すると松尾も「個人的な質が上がっている選手がいた。パワーアップは感じました」と相乗効果に手ごたえを語った。

 安定した試合運びが、その成果を実証する。群雄割拠の関西学生リーグで2季連続でインカレ出場権を確保した桃山学院大を相手に前半からボールを保持して試合を優位に進めと、前半22分、右サイドからMF嵯峨理久(3年=青森山田高)がDFの背後に入れようとしたボールが相手に当たってコースが変わる。これが上手い具合にゴール左隅に収まり、先制点が決まる。

 勢いを緩めない仙台大は前半36分、松尾のクロスから生まれた混戦を嵯峨がジャンピングボレーで蹴り込み、リードを2点に広げる。さらに後半20分にはカウンターから嵯峨のラストパスで岩渕が抜け出す。卒業後にいわきFCに進むことが決まっているストライカーのダメ押し弾によって、勝利を決定づけた。

 ただ全国1勝で満足する選手はだれ一人としていない。インカレ19年連続出場と東北では圧倒的な成績を残すが、近年、全国では“2回戦の壁”をなかなか破れずにいる。しかし今年のチームに例年以上の手ごたえを感じていることも事実。「今は負ける気がしない。だから中大戦は本当に楽しみ。これで勝てなかったら関東が1枚も2枚も上なんだと割り切れる」(岩渕)。壁を突き破る準備は整っている。

(取材・文 児玉幸洋)


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