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万全の準備で臨んだ札幌U-18がプレミア復帰王手!PKの1点を守り抜いて米子北下す

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札幌U-18が2回戦へ

[12.13 プレミアPO1回戦 札幌U-18 1-0 米子北 Eスタ]

 13日、高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2019プレーオフの1回戦が広島県内で開催され、エディオンスタジアム広島の第1試合では、プリンスリーグ北海道王者の北海道コンサドーレ札幌U-18(北海道)と中国2位の米子北高(鳥取)が対戦。札幌U-18が後半に得たPKでの1ゴールを守って1-0で勝ち切り、念願のプレミアリーグ復帰の懸かる2回戦へと駒を進めた。

 序盤からの展開は、札幌U-18・財前恵一監督が「想定していた」と振り返った通りとなった。主将のMF本間洋平(3年)を軸にボールを保持しながら攻める札幌に対し、米子北は大分内定のDF高橋祐翔(3年)とDF荒川莉音(3年)の大型CBコンビを中心に粘り強く迎撃を続けた。その中で米子北はFW植田葉月(3年)らが虎視眈々とカウンターからのチャンスを狙い続け、緊迫感のある攻防が続いた。

「ゴール前でなかなか崩し切れなかった」(財前監督)札幌U-18だったが、思わぬ形から先制点を奪い取る。後半12分、相手DFがPA内に倒れた際に芝へ手をつくと、そこにボールが当たってしまい、ハンドリングによりPKの判定に。この絶好機を本間が冷静に決めて札幌U-18が先制に成功した。

 このままでは終われない米子北は選手交代から攻撃への比重を徐々に強め、札幌U-18にプレッシャーをかけていく。「相手の圧力を受ける中で足が止まってしまった」と札幌U-18・財前監督が言うように、後半の半ばになると運動量で上回った米子北のペースとなり、札幌U-18は水際の防戦を強いられる流れになった。後半23分には米子北DF田中秀磨(3年)、そして植田にゴール前でGKと1対1からのシュートを許す大ピンチも作られるが、ここはGK山本透衣(3年)がビッグセーブ。流れを相手に渡さなかった。

 以降もパワフルに相手を押し込み、下げさせたディフェンスラインの手前を使う「狙っていた形」(中村真吾監督)も出した米子北が諦めずにゴールへ迫ったが、札幌U-18守備陣も体を張って防戦。逆にカウンターからチャンスも作り出すなど、試合の流れを渡し切ることなく、1-0のスコアを堅持。見事に逃げ切り、2回戦進出を果たした。

 勝った札幌U-18の財前監督は「相手のロングボールへの対応、セットプレーの対策は事前に練習してきた成果が出た」とホッと胸をなで下ろした表情を見せた。プリンスリーグ北海道の終幕から間も空き、雪も降る中での調整面の難しさはあったが、関東や九州への遠征も実施し、さらに広島にも4日前から入るなど万全の準備を整えてきた結果の勝利だった。

 一方、敗れた米子北・中村監督は「ゴール前を含めて冷静さを欠いていた」ことを敗因として挙げつつ、「参入戦で勝ってプレミアリーグ行きを決めれば、プリンスリーグ中国の参入戦に米子北のBチームが出られることになっていた。選手権のメンバー外になっている3年生のためにも何とか勝ちたかった」と肩を落とした。

 なお、15日に行われる2回戦では横浜F・マリノスユース(関東2)と対戦。勝てば2015年以来のプレミア復帰となる。

(取材・文 川端暁彦)
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