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[MOM3081]横浜FCユースFW佐々木翔(3年)_ヤンチャから頼れる男に。勝負強さ見せて圧巻ハットトリック

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ハットトリックを完成させたFW佐々木翔(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.13 プレミアPO1回戦 岡山学芸館0-4横浜FCユース Eスタ]

「あんなにヤンチャだったのに、後輩も引っ張ってくれる頼れる男になった」

 横浜FCユース(関東3/神奈川)・小野信義監督は13日にエディオンスタジアム広島で行われた高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2019プレーオフ1回戦で岡山学芸館高(中国1/岡山)を4-0で下した後、ハットトリックを完成させたFW佐々木翔(3年)についてそんな言葉を漏らした。

 佐々木は昨年まで「それほど試合に出ていたわけではない」と小野監督が語るように、決して中心選手ではなかった。そんな状況の中で、佐々木本人が奮起していたかというとそうでもなく、「気が乗らなかったらやらないタイプで、すぐにふて腐れていた」(小野監督)と言う。

 そんな佐々木が変わったのは昨年秋に起きた出来事が切っ掛けだという。「高1、高2のときは『ただサッカーをやっているだけ』という感じだった。すぐにイライラして周りに当たり散らしていた。そうしたら、信義さん(小野監督)にぶち切れられた」と、佐々木は苦笑いと共に振り返る。落ちた雷に響くモノがあり、少しずつ佐々木のマインドも変わっていった。

 特に今年に入ってからはジュニアユース時代には2トップも組んで刺激を受け続けきたFW斉藤光毅(3年)が一足早くユースを“卒業”。「正直、一個上のチームは強すぎたので、自分が『勝つぞ!』と思ってやらなくても勝てちゃっていた」のとは打って変わり、まさに佐々木がやらなければ勝てない状況になる中で、自覚も出てきた。

「何というか、すごく男らしくなりましたね」と小野監督もその変貌ぶりに驚いたというが、心が変わったことでプレーも変わっていった。このプレーオフでは「ペナルティーエリアの中での決定力があり、勝負を決める力がある」(小野監督)という佐々木らしさを存分に発揮。「わざと遅れて入っていった」というニアで合わせた先制点に始まり、圧巻のハットトリックとなった。

 実は小野監督とはシーズン開幕前に「リーグ二桁得点」を約束していたという。だが、結局は9得点に終わってしまい、佐々木の中でこれはちょっとした悔いになっていた。だからこそ、プレーオフでは「点を取るだけ」と気合いも十分。このハットトリックでリーグ戦から続いて数えると“12得点”となったが、まだまだ足りない。次の2回戦でもゴールを奪い、「自分たちの代で横浜FCユースの歴史を塗り替える」(佐々木)のみだ。

(取材・文 川端暁彦)
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