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[MOM3085]FC東京U-18MF常盤亨太(2年)_J3で意識変化。声でボール引き寄せ、ヘッド2発!

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FC東京U-18MF常盤亨太は2ゴールの活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.13 プレミアPO1回戦 FC東京U-18 5-0 旭川実 広域第一]

 プレミア復帰への第一関門突破を引き寄せたのは、「守備の予測や球際のところは自信がある」と自己分析するFC東京U-18の守備的なボランチ、MF常盤亨太(2年)が叩き込んだ2本のヘディング弾だった。

 旭川実高と対峙したこの日も、「守備はいつも通りの基準でできた」と闘争心を前面に押し出したボールハントでチームの守りを支えた。一方で攻撃は、「パスはボールが芝に引っかかって思い通りにいかなかった」が、チームが落ち着きを失った時間帯では、独特の間合いで繰り出すボールキープによってタメを作り、テンポを変えた。中盤で奮闘を続けながらも、1点が遠い状況が続いたが、前半28分には左CKを頭で合わせて先制に成功。2-0で迎えた45分にも左CKからヘディング弾を叩き込み、チームに勢いを与えた。

 身長172cmとやや小柄な常盤が、CKで競り勝てたのには訳がある。「次の試合に向けて隠しておきたかった」と笑みを浮かべながら、常盤はこう明かす。「大きい選手がいっぱいいるので、そこにマークが集中する。自分には競り合いが弱い選手や小さい選手がつかれることが今までもあった。練習でも結構決めていたので、今日もやってやろうと思っていた」。この日のゴールは、キッカーが蹴る瞬間に上手くマークを外し、空いたスペースに走りこんだことで生まれたゴールだった。

 後半15分にも右CKの上げ直しを頭で叩き込んだが、直前にチームメイトがホールディングの判定を受けたため、得点とは認められず。頭のみでのハットトリックは幻となったが、「この分は日曜日獲ろうと思っている」と前を向いた。

 守備とゴールでチームに貢献した常盤だが、中村忠監督が評価したのは声の部分で、「静かなゲームの中で声を出してくれていた。そういう選手のところにボールは来る」と称えた。元々、コーチングは絶やさないタイプだったが、今季はJ3で出場機会を重ねるうちに意識が変化。「今シーズンは上のカテゴリーで出させてもらったので、U-18の中心にならなければいけない。軽いプレーがあれば言わなければいけないし、良いプレーが盛り上げなければいけない。そういうのでチームが少しでも勝ちに向かうのなら、いくらでも声を出す」と口に出す内容にまで拘るようになったという。

 J3での経験は、プレーにも変化を生んでいる。「毎試合相手は、自分より上手くて速くて強い。そこにどれだけ通用するのか試していく中で、段々通用する部分が増えていった。でも、FC東京はJ1のチーム。J3で違いを出せるくらいでないとトップチームには届かない。今はやっと何とかやっていけるというレベルなので、もっと成長しないといけない」。チームメイトも彼の成長を実感しており、FW小林里駆(3年)は、「彼はセカンドボールの部分で絶対的な存在。J3を経験したことで守備の強度がより高くなったと思う」と口にする。

 J3でのプレーを通過点と捉えるように、この日の勝利もまだゴールではない。常盤は「スコア内容だけ見れば快勝なんですけど、ゲーム内容はあまり良くない。最後の方は相手のペースだった。日曜日(2回戦)に同じゲームをすると勝てる確率が低くなるので、浮かれていられない。甘いところを改善できるという意味では良かったかもしれない」と口にする。山形ユースと対峙する2回戦でも、攻守両面で常盤らしくタフに闘い、勝利を呼び込むつもりだ。

(取材・文 森田将義)
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