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「バラバラになりかけた」湘南、パワハラ騒動から“分解危機”乗り越えJ1残留

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J1残留を決めた湘南ベルマーレ

[12.14 J1参入プレーオフ決定戦 湘南1-1徳島 BMWス]

 選手たちは一様に「長かった」と激動のシーズンを振り返った。湘南ベルマーレは夏にチョウ・キジェ前監督のパワハラ疑惑が報じられ、異例の環境に置かれた。高橋健二コーチが代行で指揮を執る宙ぶらりんな状態が約2か月続き、勝利からも離れていった。

 第27節清水戦(0-6)、第28節川崎F戦(0-5)は2試合連続で大量失点に苦しみ、重苦しい雰囲気が漂った。「チームが分解しかけた。ああいう報道があった中で、選手・スタッフにそれぞれの思いがありながら、チームがバラバラになりかけた」とFW山崎凌吾が言えば、MF齊藤未月も「今年U-20W杯に行ったことも忘れていたくらい、そのあとに色々あった。よくあそこからJ1残留まで持って来られた」と振り返った。

 浮嶋敏監督就任以降は徐々にアグレッシブな湘南らしさを取り戻し、ラスト3試合は無敗(1勝2分)。最終節はJ2降格が決定していた松本に勝利すれば自力残留を決められたが、先制の5分後、後半45分に同点弾を献上。16位から浮上できず、J1参入プレーオフに回った。ショックのある幕切れだったが、齊藤は「今週の練習は硬かったけど、なんとか気持ちで残れたと思います」と安堵の表情を浮かべた。

 徳島に先制を許し、1点ビハインドで後半を迎えたが、息の合った連携からMF松田天馬が同点ゴールを沈めた。左サイドからMF鈴木冬一がクロスを入れると、FW山崎凌吾がマイナス方向に戻し、走り込んだFWクリスランがスルー。松田が左足で押し込み、1-1に持ち込んだ。

 第32節のFC東京戦、最終節の松本戦は惜しくも終了間際に失点したが、この日は同じ轍を踏まず、辛くも逃げ切った。松田は「ラインを下げ過ぎないことは統一できた。あとは必死でした。声を掛け合って、埋めて、というのはできていたと思う」と頷いた。どん底から這い上がり、最後まで続いた苦難も乗り越え、湘南がJ1の座を死守した。

(取材・文 佐藤亜希子)
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