beacon

期待値の高さを上回れ!大学No.1アタッカー三笘薫が4年前にトップ昇格を断った川崎Fでプロ生活をスタートへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

川崎フロンターレに入団する三笘薫

「もっとやってほしいなと思っている」。小井土正亮監督のMF三笘薫(4年=川崎F U-18)への評価だ。そして周囲の高い期待を感じるからこそ、「思い描いた4年間の成長曲線を描けていない」と三笘自身ももどかしさを感じている。

 筑波大に進学して技術面そして精神面で成長があったことを自負している。ただ大学1年生でインカレ優勝、2年生でリーグ戦優勝を経験したものの、3年生、4年生では無冠。“自分たちの代”ではタイトルを獲得することが出来なかった。

 小井土監督は今年のチームについて、よく「戦術・三笘」と冗談めかして例えることがあった。もっとも、そこには本音の部分も隠されており、「いい選手はチームを勝たせる選手だ」という持論を持つ指揮官の三笘への期待を表す言葉でもあった。

 来季からプロ生活を始めることになる川崎フロンターレは、大学進学前にトップ昇格を断った経緯を持つクラブでもある。「まだまだ自分が成長したいという思いがあった」と当時を振り返るが、来季からは大学4年間が回り道でなかったことを証明しないといけない。

「正直、始まるなという気持ちと、不安な気持ちがある。プロで1年目から活躍するイメージもあるが、しきれていない部分もあるので、そこは日々の継続で成長していかないと、いい結果は出せないと思っています」

 もうひとつ、来年は大きな目標として東京オリンピックへの出場がある。代表候補に挙げられる三笘は、今月28日にトランスコスモススタジアム長崎で行われるU-22ジャマイカ代表との親善試合を戦うU-22日本代表に選出されている。

「この試合にかける思いは強いです。この試合で活躍すればオリンピックメンバーに生き残れると思っています。森保さんは2つの代表をみているので、活躍すればA代表のチャンスも出てくる。(田中)駿汰が選ばれたことで、もっともっと上を目指さないといけないと思いました。(ユースの後輩の田中)碧の存在も刺激になりますし、彼らに負けられないなと思っています」

 大学生という肩書を外し、いよいよ本格的に結果を出してこそ評価される世界に飛び込むことになる。「将来は日本代表に選ばれて、海外で活躍できる選手になっていきたい」。プロ入り後は必ず、周囲の期待、そして自身の想像を上回る成長曲線を描いてみせる。

(取材・文 児玉幸洋)
●2020年Jリーグ移籍情報

TOP