beacon

育成年代まで浸透する“バルサ化”神戸U-15主将「戸惑いはあったけど…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

ヴィッセル神戸U-15は3位で戦いを終えた

[12.26 高円宮杯U-15準決勝 鳥栖U-15 3-1 神戸U-15 味フィ西]

 “バルサ化”は育成年代へも浸透している。

 昨年夏のこと。MFアンドレス・イニエスタの加入とともに“バルサ化”を急速に進めるヴィッセル神戸は、育成年代でイニエスタやリオネル・メッシらを指導した実績をアルベルト・ベナイジェス氏らを招聘することで、下部組織の強化を図った。

 ただ現場は当初混乱したという。当時は4-4-2、もしくは3-4-2-1のシステムを重用していたが、4-3-3に統一。練習メニューにもメスが入った。U-15を指導する岡本歴大監督は「どちらかというと考え方のところ。サッカーなので大きなズレはないけど、『あ、そうなんだ』というところはありました」と苦労を振り返る。

 しかし成果は結果として表れた。「やり方に徐々に慣れていった」(岡本監督)というチームは、関西リーグを2年ぶりに制覇。最後の大会である高円宮杯では、準優勝した14年以来となる5年ぶりの4強に勝ち残ってみせた。主将MF宇治頼人(3年)は「確かに急に変わったので最初は戸惑いがありましたが、最後に形になったのは監督やスタッフがサポートしてくれたおかげだと思っています。今ではこっちの方がしっくりきます」と感謝を語る。

 成功をつかみ取るには、やり方を信じて結果を残し続ける必要がある。多くの主力がこのままユースに昇格する。そこで継続して“バルサ化”を成熟させていく必要がある。宇治は「中盤は上手くボールを受けることが出来るようになった。CBが持ち出すことで、前の選手も動きを出てきた」とサッカーへの手ごたえを語ると、「個人としても世界で活躍して、日本代表でも絶対的な存在になりたい」と更なる成長を誓っていた。

(取材・文 児玉幸洋)

●高円宮杯第31回全日本U-15選手権特設ページ

TOP