beacon

[戦評][ACL]考えなければならない浦和の失点(浦和vs城南一和)

このエントリーをはてなブックマークに追加
[10.24 ACL準決勝第2戦 浦和(日本) 2-2(PK5-3) 城南一和(韓国) 埼スタ]

田村修一の「視点」

 浦和は相手の寄せの速さと当たりの激しさに苦しんだ。城南一和は後ろからでも躊躇することなくチャージにくるし、体ごとボールを奪い取りに来るようなスタイル。ここ最近はあまり見ることができなかった“韓国らしい”サッカーに浦和はやや戸惑っていた印象だ。試合展開でも相手の方が攻撃の形も作っていたし、浦和は自らのミスから同点ゴールを奪われた。前半21分に先制してから後半始め位までのいいリズムを持続できなかった。
 きょうの浦和は良く動いていたと思う。いつもなら60分頃(後半15分)から運動量落ちるけど、きょうは良く走っていた。それでも2失点は考えないといけない。20日のJリーグ・千葉戦でも指摘したが、この日も守備のブロックができていなかった。前半は前へ前への守備ができていて、その時間帯は問題ないのだが、後半になるとボランチが最終ラインに吸収されて、下がりっぱなしになっていた。そして、ポッカリ空いたゴール正面のスペースを自由に使われてしまっている。また3バックのサイドのスペースをつかれるとほとんどでバランスが崩れてしまう。Jリーグや、アジア相手だからそこまで大きなほころびにはならなかったが、クラブ・ワールドカップで世界と戦う際には同じようにはいかない。だからこそDFをもう一度確認しておく必要がある。
 また交代選手の面でも、ジョーカーと言えるような、リズムを変えられる選手がいないことが露呈された。この日、浦和がPK戦で劇的な勝利を飾ったこと、勢いをつけたことは間違いない。だが決勝、そして世界と戦うクラブ・ワールドカップへ向けて考えると、浦和にはひとつではない不安があった。

(取材・フットボールアナリスト田村修一)

TOP