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FW山下とFW山本航が開幕戦ハット!國學院久我山が“記録ずくめ”の令和初白星!

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前半6分、國學院久我山高FW山下貴之が右足で先制ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.30 選手権開幕戦 國學院久我山高 8-0 前原高 駒沢]

 衝撃の8発!國學院久我山が令和初の選手権開幕戦で“記録ずくめ”の大勝だ。第98回全国高校サッカー選手権が30日に開幕。開会式後に行われた開幕戦で國學院久我山高(東京B)と前原高(沖縄)が対戦し、國學院久我山がともに3得点を記録したFW山下貴之(3年)とFW山本航生(3年)の活躍など8-0で勝った。國學院久我山は1月2日の2回戦で専修大北上高(岩手)対龍谷高(佐賀)戦の勝者と戦う。

 今年東京4冠を達成し、関東王者にも輝いている國學院久我山が、“衝撃的な”令和の選手権初白星を勝ち取った。今季の公式戦は都1部リーグ、関東大会予選、関東大会、インターハイ予選、インターハイ、選手権予選、プリンスリーグ関東参入戦の計34試合で計96得点を叩き出している。強豪揃う東京都、関東地区で公式戦1試合平均3得点を挙げてきた攻撃力が開幕戦で爆発した。

 山下と山本航は05年度大会開幕戦で一条高(奈良)FW徳村真ノ介がハットトリックを達成して以来の開幕戦3発。相手をかわすドリブル、パスワークを披露し続けた國學院久我山は開幕戦が採用された99年度大会以降の最多得点記録、最多得点差記録も更新する“記録ずくめ”のゴールラッシュで2回戦へ進出した。

 立ち上がりは濡れたピッチも影響したか、前原の前線からのプレスにチャージされるシーンやボールタッチが大きくなってロストするシーンもあったが、すぐにアジャスト。そして、ゴールラッシュをスタートする。

 前半6分、ポゼッションから押し込むと、MF福井寿俊(3年)が右足ミドル。これはヒットしなかったものの、ボールはPAの山下の足元に入る。コントロールした山下がすかさずゴール左隅に右足シュートを流し込んだ。

 先制した國學院久我山は、直後にも10番FW戸坂隼人(3年)のグラウンダークロスにゲーム主将の山本航が決定的な形で飛び込み、山下の右足シュートがゴールを捉える。そして11分、攻撃参加した右SB山本献(3年)の折り返しを山本航が右足シュート。このこぼれを山下が左足で決めて2-0とした。

 狭い局面でもボールを繋ぎ続ける國學院久我山は、守備面でも奪い返しが速く、山本献やMF福井寿俊(3年)らが巧みな身のこなしでボールを絡め取って前原に攻撃機会を与えない。そして、注目の2年生シャドーコンビ、MF大窟陽平(2年)とMF田中琢人(2年)がギャップを突く斜めのパス、スルーパスを通すなど攻め続ける。

 23分には戸坂が獲得した右FKから山本献が中央にクロスボールを入れる。これを山本航が頭で叩き込んで3-0。前原は前半から10本以上のシュートを打たれながらも183cmのGK中山音弥(2年)が懸命にシュートセーブを続けて踏ん張ろうとする。

 5年前の1回戦で対戦した際は國學院久我山が1-0で勝利。リベンジの思いも持って準備してきた前原は31分、FW大城魁人(3年)の左クロスのこぼれを拾ったMF池根翼(3年)が右足シュートに持ち込み、後半立ち上がりには敵陣での奪い返しから大城が左足シュート。だが、“アウェー”で応援を続ける前原スタンドを沸かせることができない。

 國學院久我山は後半12分、田中のスルーパスで左中間を抜け出した山下が左足シュートを決めてハットトリック達成。20分には田中のパスを左中間で受けた山本航がターンでDFを振り切り、右足シュートをゴール右隅に決める。

 そして24分にはPAでボールを奪い返し、最後は戸坂が豪快な左足ショットを突き刺して6点目。直後には戸坂の足裏パスで左サイドを抜け出した交代出場左SB河原大輔(3年)が、角度のない位置から左足ループシュートでゴールネットを揺らす。さらに山本航もハットトリックを達成した國學院久我山が8-0で圧勝。令和初の全国高校サッカー選手権は“記録ずくめ”8-0で幕を開けた。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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