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無心のひと振りが追撃弾演出、静学の左SB西谷「いい形でこぼれてくれた」

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静岡学園のDF西谷大世(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.13 選手権決勝 青森山田高 2-3 静岡学園高 埼玉]

 無心のひと振りが貴重な追撃弾につながった。2点を追う静岡学園高(静岡)は前半アディショナルタイムにPA右手前の位置でFKを獲得。MF井堀二昭(3年)が右足で蹴り込むと、ファーサイドで競り合ったこぼれ球がDF西谷大世(3年)の前にこぼれてきた。

 左足のシュートはミートし切れなかったが、相手のクリアミスを誘い、DF中谷颯辰(3年)が右足でゴール左隅にねじ込んだ。「シュートを狙ったら、いい形でこぼれてくれた」。そう照れ笑いを浮かべた西谷は「点を取られても焦らず、みんなで静学のサッカーを貫こうと話していた。それがこういう結果につながった」と胸を張る。

 1点差に追い上げてハーフタイムを迎えると、選手たちはロッカールームで口々に「青森山田の選手にビビッてボールを受けれていない」と活発に意見を交わし、戦う姿勢や球際の部分で修正を図った。

「後半は前からガツガツ行って、1対1も強く行って、怖がらずにプレーすることを心がけた」。そう振り返る左サイドバックは後半の逆転劇で全国の頂点に立ち、「小さいころからあこがれていた舞台。優勝できてうれしい」と喜びを表現した。

 静岡学園にとって24年ぶり2回目の優勝は単独では悲願の初優勝。滋賀県出身で、卒業後は京都橘大に進学する西谷は「静学はこれまで単独優勝がなかった。それを初めて達成できてうれしい」と白い歯をこぼした。

(取材・文 西山紘平)

●【特設】高校選手権2019

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