beacon

映画『ソーシャルフットボール イタリアからの挑戦』をヨコハマ・フットボール映画祭で先行上映

このエントリーをはてなブックマークに追加

映像提供・ヨコハマ・フットボール映画祭

 世界中のサッカー映画をセレクトして紹介する「ヨコハマ・フットボール映画祭2020」が25、26日に横浜市の開港記念会館で行われる。

 一番の注目は、統合失調症やうつ病など精神障がい者が取り組むソーシャルフットボールについての作品で、2016年に大阪で開催された世界大会に参加したイタリア代表のドキュメンタリー映画『ソーシャルフットボール イタリアからの挑戦』だ。

 国際大会に備えたチーム結成のためのセレクションから、密着し、選手個別にインタビュー。自分の病とどう向き合い、乗り越えていこうとしているか、悩みなども赤裸々に語る。代表チームとして勝負に挑めば、メンバー選考に不満を持つ選手も出てきて、それを態度に表し、チームに不穏な空気が流れる様は、サッカーに真剣に取り組むが故だ。

「サッカーは心の病に打ち勝つ」。そんなエピソードが世界的に注目されるきっかけとなった話題作で、イタリアアカデミー賞 最優秀ドキュメンタリー賞を受賞している。

 映画の中で紹介される大阪で行われた大会で、日本代表を優勝に導いた当時からチームを指揮する奥田亘監督は先行上映の映像を見て、こんな感想を抱いた。

「(大会の)初戦で対戦したイタリア代表は一人一人の身体能力が高く、キャラクターの強い選手が多い印象でした。しかし、そんな選手たちが試合をする毎に一つのチームとしてまとまっていきました。何故、チームとして上手くまとまっていたのか、今回の映画を見て監督の言葉の選び方や規律の作り方など学ぶ点が多くあり、イタリア代表の強さの一端を知る事が出来ました」

 奥田監督は映画の見どころをこう明かす。

「私は個人個人の心境や関係性など、表面上では捉えられない部分をインタビュー形式で振り返りながら見る事が出来たので、とても見やすく時間が経つのが早く感じました。(日本とイタリアで)国民性や文化の違い、精神疾患に対する捉え方に違いがあり、自分自身を客観的に分析しているように感じる事が出来て、日頃から問題と上手く向き合っているんだと思いました。フットサルを通じて心と身体が成長していく様や、日々の生活に目標を持つ事で活力を与えてくれることをこの映画から感じ取って欲しいです」

 26日にこの映画祭で先行上映され、28日に横浜シネマ・ジャック&ベティで上映される。その後の上映も模索されている。

2018年、イタリアで開催された国際大会を指揮する日本代表・奥田亘監督(左から2人目)


●ソーシャル/障がい者サッカー特集ページ
●日本障がい者サッカー連盟(JIFF)のページはこちら

TOP