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「あれくらいやらないと選ばれない」。高校選抜候補は“遠慮ゼロ”で戦ったFW田海が決勝ヘッド!

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4本目29分、日本高校選抜候補FW田海寧生(丸岡高3年)が決勝ヘッド

[1.26 練習試合 日本高校選抜候補 3-2 流通経済大 時之栖裾野G]

「あれくらいやらないと選ばれないと思う」。練習試合2本目と4本目で日本高校選抜候補の1トップを務めたFW田海寧生(丸岡高3年)は、そのプレーから必死さが如実に表れていた。

 年上の大学生との練習試合だったが、遠慮は“ゼロ”。前線から激しく相手を追い回し、アフターチャージになったシーンや球際に深く入り過ぎてファウルを取られるシーンもあった。ただし、本人にとっては、それくらいの強度でプレーしなければ、ハードワークしなければ日本高校選抜メンバー入りすることができないという覚悟の上。「(自分は)今年から大学生ですし、(大学生相手でも)『関係ない』と思ったので行きました」とがむしゃらに戦い続けていた。

 空中戦で競り勝って味方の決定機を演出した一方、ミスも増えていた。だが、攻撃でも、守備でも身体を張り続けていた田海は試合終了間際にビッグチャンスを引き寄せる。2-2の4本目終了間際、敵陣中央でインターセプトしたMF濱屋悠哉(神村学園高3年)が左サイドへ抜け出してクロス。ファーサイドでフリーの田海が頭で決勝点となる一撃をゴールに叩き込んだ。

 すると、歓喜の雄叫び。「(青森)山田の田中(翔太)が点獲って『ちょっとやばいな』と思っていて、僕も点獲りたいと思っていたので、ごっつあんでしたけれども良かったです」。1トップを争うライバルのFW田中翔太(青森山田高3年)が2試合連続ゴールを決めたのに対し、田海も2試合連続ゴール。結果を残すことに成功した。

 この1年、田海は丸岡の絶対的なエース、主将として名門校を牽引してきた。そして、第一次選考会でもアピールして迎えた日本高校選抜入りのチャンス。「本当にこんなチャンス2度とないと思うので、『絶対に選ばれる』という気持ちで来ましたし、みんな上手いのでこの中で入っても負けないくらいやっていかないといけない」と意気込んでいる。

 今年の日本高校選抜は丸岡の小阪康弘監督が総務としてスタッフ入り。恩師と一緒に欧州へ行って、戦うチャンスは十分にある。「(丸岡の)先生たちからも『頑張って来い』と言われているので、丸岡を代表して高校選抜入ったら地域も盛り上がると思いますし、自分的には『絶対に入らないといけない』と思っています」と力を込めた。大学生にも負けない強さと鋭い裏抜けも武器とするストライカーは、合宿最終日も遠慮することなくアピールして、また一つチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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