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[新人戦]“一味違う”長崎総科大附。修正力、結束力も強みに唯一の3連勝:九州

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前半30分、長崎総合科学大附高MF一宮優斗が先制ヘッド

[2.16 九州高校(U-17)大会予選リーグ第3節 長崎総合科学大附高 4-0 那覇西高 福岡フットボールセンター]

 長崎総科大附が予選リーグ唯一の3連勝! 第41回九州高校(U-17)サッカー大会(新人戦、福岡県内)は16日、予選リーグ最終節を行い、第4ブロックの長崎総合科学大附高(長崎1)は那覇西高(沖縄1)に4-0で快勝。予選リーグ唯一の3連勝、ブロック1位で決勝トーナメントへ進出する。

 今年の長崎総科大附は、“一味違う”印象だ。ロングスローやサイドアタッカーのドリブル突破、ハイプレスなど“らしさ”も残す一方、DFラインから積極的にボールを繋ぐことにチャレンジ。ボールを保持することで意図的にアップダウンする回数を減らし、後半の勝負どころにより体力を残すことも可能にしている。この日対戦した那覇西も後方からのビルドアップを徹底したため、グラウンダーでの攻め合いとなった。

 那覇西はMF山川樹(2年)がDFラインまで落ちて組み立てに参加。相手の寄せをテンポの良いパスワークで打開し、MF上地悠智(2年)の的確なスルーパスが相手の急所を突いていく。これにFW石川元尋(1年)が反応したり、ラストパスがPAに入ったりしていたが、長崎総科大附は九州を代表するGK梶原駿哉(2年)や小嶺忠敏監督が「(人間性が)しっかりしている」と評するCB藤田和也(2年)、CB児玉勇翔(1年)を中心にその攻撃を跳ね返す。

 また、中盤でMF田中翼(2年)が鋭い読みを活かしたインターセプト。そして、サイドへの配球からFW小田晃暉(2年)とFW岩永空潤(2年)の両翼が仕掛けてクロスやシュートまで持ち込んでいた。

 試合は前半終了間際の30分、長崎総科大附が先制する。FW堤太陽(2年)の展開から左SB山口敦樹(2年)がクロスボール。これをMF一宮優斗(2年)が頭でゴール右隅へ流し込む。さらにアディショナルタイムには岩永の左足FKが相手GKのファンブルを誘い、こぼれ球を児玉がゴールへ押し込んだ。

 長崎総科大附は後半15分にも小田のアーリークロスでGKと入れ替わった岩永がゴール。26分にも交代出場のMF河野寛斗(2年)が決めて4-0で快勝した。小嶺監督が「(言葉が)響く。反応します」と説明する今年のチーム。ミスした際の映像を繰り返し見せられて確認しているという梶原も「言われたらそれを何回も繰り返さないような選手が揃っているので、そういうところでチームの結束力とかはあるのかなと思っています」と学ぶ姿勢や修正力のある学年であることを認める。

 現在、怪我で不在の主力候補もいるが、九州大会では出場した選手がアピールする形でゴール数も増加。それでも梶原は「今年選手権を2年生が結構経験させてもらったので、そのメンバーが引っ張って行こうという中でやっているんですけれども、やっぱり悪い時にみんな流されてしまうところがあるので直していかないといけない」と引き締めた。3試合連続無失点も、いくつかピンチがあったことは確か。全員で改善し、鵬翔高(宮崎1)戦からスタートする決勝トーナメントも一戦一戦勝ち上がる。

(取材・文 吉田太郎)

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