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「密集・密接」防ぐため…J再開後もアウェー席封鎖、スタンド50%空席へ

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2月21〜23日のJ1開幕節では「密集」「密接」した状況が見られた

 Jリーグの村井満チェアマンが25日、メディア向けのオンラインブリーフィングを行い、公式戦の再開後も2か月間をメドに各会場のアウェー席を設けない方針を明かした。政府の専門家会議で「全国規模の大規模イベント等」のリスクが指摘されたのを受け、同日に実施された臨時実行委員会において全56クラブが大筋で合意した。

 専門家会議は今月19日、新型コロナウイルスの感染拡大に対する最新の提言を発表。「密閉・密集・密接という3つの条件が重なる場を回避すること」を求めた。また、そうした場が発生しやすい場として「全国的な大規模イベント等」を指摘。「主催者がリスクを判断して慎重な対応が求められる」との注意喚起を行った。

 村井チェアマンはこの日のブリーフィングで「密閉した場で、密集したお客様が、密接した手が届く範囲内で大きな声を出すことが新型コロナウイルスの感染を拡大させる」とあらためて指摘。その上で「Jリーグの会場では『密閉』は多くのケースで回避されている中、『密集』と『密接』について議論を重ねている」と2つの論点に照準を絞った。

 『密集』『密接』をいかにして防ぐか——。村井チェアマンが提示したのは大きく分けて二つの解決策だった。

 一つ目は「遠距離で観戦に来るアウェーのお客様の自粛を求める」こと。ホームタウンを遠く離れて住むファン・サポーターや、近隣地域同士の対戦カードも組まれていることから、「ルールづけは難しい」「柔軟な対応も」と裁量の余地は残しつつも、「アウェー観戦の席は設けない」という方向性が示された。

 また第二に「前後左右を空席とする」という席割り案も提示された。この場合、市松模様のような形となるため、スタジアムの収容率は通常の50%程度となる見込みだ。いずれの案も「細かいところはプロトコルを決めないといけない」といい、村井チェアマンは「非常に難しい問題なので詳細は詰めていくことになる」と述べた。

 さらに日本野球機構(NPB)と共同で進めている対策会議においては、リスクの高い応援スタイルに関する提言も出された。「大きな声を出すとか、肩を組む応援を控えようとか新たなスタイルを申し合わせに関する議論が始まっている」と述べた村井チェアマンは、観戦スタイルに関しても「引き続き詳細を詰めていく」と今後の決定事項であることを明かした。

 Jリーグはこの日、J3を4月25日、J2を5月2日、J1を5月9日に再開する方向性で合意。異例の段階的措置だが、これもカテゴリごとの「スタジアム収容数や収容率」に鑑みて『密集』『密接』を防ぐための解決策となった。

 もっとも、国内の情勢次第では先行きは不透明だ。「刻々と変わる中で予断を許さないことも想定される」と懸念も示した村井チェアマンは「政府や行政庁、都道府県や市町村から自粛要請があれば無観客で行う等の判断、日程変更の判断もある。(再開日が)必ずしも実現するものではないということで、柔軟に議論していこうと考えている」と説明した。

(取材・文 竹内達也)
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