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【THIS IS MY CLUB】祝・活動再開!日向坂46影山優佳が「Jリーグ全56クラブの魅力紹介」に込めた思い

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日向坂46・影山優佳さん

 日向坂46・影山優佳、約2年ぶりの活動再開——。このニュースが日本中を駆け巡った5月26日以降、多くのサッカーファンの注目はいまだかつてないほど、一人の「サッカー大好き少女」に集まっている。

 発表翌日の5月27日の公式ブログでは、さっそくシーズン再開を迎えたばかりのブンデスリーガ第28節バイエルンドルトムント戦について、「ぴしゅちぇく」(編注:ドルトムント在籍11年目、ポーランド代表のMFウカシュ・ピシュチェクのこと)と題した記事)を更新。試合の大きな見どころだったサイドの攻防やMFヨシュア・キミッヒの美しい決勝点を、影の立役者であるFWトーマス・ミュラーの貢献にも触れながら紹介していた。

 さらに、5月30日からは「影山優佳のWE LOVE Jリーグ」と銘打った大型企画もスタート。「これからブログでJリーグの全クラブの魅力紹介をしていきます!!!」と宣言し、初回の北海道コンサドーレ札幌から順番に、注目選手やチーム戦術、スタジアムやサポーターの雰囲気、ホームタウン、クラブの歴史、スタジアムグルメなど、さまざまな観点からJリーグを掘り下げていく試みを行っている。企画はすでに第5回まで進行中(6月26日現在)だが、J1からJ3のカテゴリを区別せず、同じ“濃さ”で書かれているのだからなお驚きだ。

 ゲキサカでは今回、そんな“サッカー大好き少女”影山優佳さんのサッカー観に迫るべく、『DAZN Jリーグ推進委員会』協力のもと単独オンラインインタビューを実施。「WE LOVE Jリーグ」企画に込めた思いや、Jリーグ再開後に注目してほしい“推しメン”、アイドルとサッカーの共通点など、さまざまなテーマについて前後編で語ってもらった。

——本日はよろしくお願いします。まずは「WE LOVE Jリーグ」シリーズのことから教えてください。この企画を始めようと思ったきっかけはなんですか?

 私はスタジアムでサッカーを見るのが好きな人で、ぜひ皆さんにもスタジアムに行ってサッカーの良さを感じてもらいたいと思っているんですが、コロナでJリーグが延期になってしまい、試合をスタジアムで見ることができなくなってしまいました。また、もし再開したとしても、前みたいにゴール裏にみんなが集まってチャントを歌ったり、ゴールが決まった時にみんなで肩を組んで喜んだり、そういうサッカー観戦の醍醐味はしばらく体験できません。それができないとなると、いまサッカーを好きな人もなんとなくサッカーから離れてしまうんじゃないか、物理的にも心も離れてしまったらどうしようという感覚になりました。

 こういう時だからこそ、サッカーがもともと好きな人には「やっぱりサッカー好きだ」って思ってもらいたいですし、サッカーを知らない人にも良さを分かってほしいです。そうした中で「私がその役を担うには何ができるかなぁ」って考えた時、ブログを使おう!って思ったのがきっかけです。そして、できればいろんな人に興味を持ってもらいたいので、たとえばスタジアムグルメであったり、サポーターの雰囲気であったり、クラブの地域であったり、あとはマスコットキャラクターですね。そういったいろんなことを書いていけば、きっとどこかに引っかかってくれるんじゃないかと思い、いろんな種類の情報を集めて紹介しようと思いました。

——本当にさまざまな情報が盛り込まれていますよね。なかでも個人的に気になったのは紹介するクラブの順番でした。最初にJ1の北海道コンサドーレ札幌が出てきて、多くの人は「次はJ1のベガルタ仙台かな?」と思っていたんですが、次に出てきたのがJ3のヴァンラーレ八戸でした。ここでJ3のクラブが出てくるところからJリーグへの愛情がすごく伝わってきたんですが、このあたりに込めた思いはありますか?

 いろんなところでよく「Jリーグチーム紹介」という企画がありますよね?そこでJ1のチームだけというのを結構見たことがあったんです。でも、一人のJリーグファンとしてそれを見た時に、紹介してくださってうれしいんですけど、ちょっと悲しい……という思いもあって。なので私も勉強不足で知らないことはあるんですが、これを機会に知らないことを勉強してすべてのクラブを順番に紹介しよう!と思いました。

——文中でも何度か「間違っていたらすみません」と書かれていましたよね。ただ読んでいると勉強不足とはとうてい思えない内容で……(笑)。たとえば八戸の注目選手に新井山祥智選手、安藤翼選手を挙げていました。新井山選手は八戸市出身のレジェンドとして知られる選手ですが、安藤翼選手はJFL(実質4部リーグ)から移籍してきたばかりの大卒2年目です。実は個人的には高校時代から見ていて“推しメン”なのですが(笑)、まさかここで名前が挙がるとは思いませんでした。

 安藤翼選手、すごくいい選手ですよね!

駒澤大時代のヴァンラーレ八戸FW安藤翼

(編注:ブログでは「足元の技術と身のこなしで相手の隙をつく繊細なプレーもフィジカルでごり押すプレーもできる。チーム全員でパスでつないだボールを、一人で抜け出してゴールに運ぶパワーを持った選手です!昨シーズンはJFLで16得点!J3の舞台でもスーパーゴールに期待です!」と詳細に紹介されている)

——ただ、こうしてJ3の選手までカバーするのは大変ではないですか?

 たしかにJ1のチームは情報が結構ありますし、もともとの知識もありますし、テレビにもよく出てくるので分かるんですが、J3となると取り上げられる機会も少ないので、情報収集に時間がかかってしまうことはあります。一日分のブログを書くために3〜4日パソコンにかじりついて、ハイライトを見ていったり、すごく過去の記事を読んだりとか、結構がんばりました(笑)。

——安藤翼選手の例でも伝わってきますが、一人ひとりの選手についても深いところまで分析していますよね。

 注目選手のところは一つ気を使っていることがあります。ここは一番注目してほしいポイントなんですが、一人は「ぱっと見てもすごさが分かる選手」や「初めて見ても良さが分かるような選手」を選んでいます。そしてもう一人は育成年代の選手や守備のほうの選手など「コアなファンにもあらためて見てもらいたい選手」をピックアップしています。そこに気づいてもらえたらうれしいですね。

——たしかにそうですね。札幌の場合はチャナティップ選手と進藤亮佑選手でしたが、その工夫がすごくピンときます。

 チャナティップ選手は鈴木武蔵選手ともすごく迷いました。武蔵選手はキャラクターもすごく魅力的なんですよね。でもチャナティップ選手が本当にすごく好きなので、独断で選ばせていただきました!(笑)

タイで絶大な人気を誇る札幌MFチャナティップ

——その結果、ブログがチャナティップ選手の出身地であるタイのメディアにも紹介されていましたね。ご存知でしたか?

 母から聞きました。「読めない言語だけどあなたの写真が載ってるわよ!」って(笑)。びっくりしましたが、すごくうれしかったです。

——日本のサポーターも早く自分たちのクラブを取り上げてほしいと待ち望んでいるように思います。そういった期待は感じますか?

 期待といいますか、初めは誰か一人に届いてくれればいいなって気持ちだったんですが、サポーターの方から「楽しみ!」って言ってもらえたり、私のファンの人でサッカーを知らない人からお手紙をもらった時に「影ちゃんのブログを見てサッカー勉強してます!」とか「今度サッカーの試合を見ようと思いました!」って言われることがかなり増えたんです。まさかこんなにいろんな人に見ていただけると思っていなかったので驚いていますし、もっともっとがんばろうというモチベーションにもつながっています。

——ピッチ内のことだけでなく、クラブのホームタウンにしっかり触れられているのも印象的でした。Jリーグにとって「地域密着」「百年構想」といった理念はとても大きなテーマで、なかでもホームタウンは何より重要な存在です。そういった意味でもJリーグ文化の全体を意識されてるんだなというのがじかに伝わってきました。

 私はもともとスタジアムにすごく大きな思い入れがありまして、スタジアムグルメを食べるのも好きだし、何よりスタジアムで試合を見ることが好きなんです。ゴール裏でみんなでワイワイ見るのも好きだし、サイドスタンドの高層階から俯瞰して、戦術を真顔で見つめたりするのも好きです。またスタジアムと街はすごく密接なつながりがあって、サッカーを中心に街が成り立っているところも多いです。たとえば、FC今治はオーナーの岡田さん(元日本代表監督の岡田武史氏)がいろいろなところで指揮を取って、スタジアムをみんなの憩いの場にしようという『里山スタジアム』計画を進めています。そんなふうに城下町って感じになるのがすごくいいな、スタジアムが社会をつないでくれる世界ってすごく素敵だなって思っているので、やっぱりスタジアムの良さや、スタジアムの周りに存在している街の良さを合わせて知ってもらいたいなと思っています。

FC今治の本拠地「ありがとうサービス.夢スタジアム」

——ただJリーグを伝えるだけでなく、楽しみながらより深く掘り下げていくという姿はこれからJリーグに興味を持とうとしている人にもすごく参考になると思います。

 そう言ってもらえてすごくうれしいです!がんばってよかったなって思います。女性ファンの方は好きな選手や“推しメン”がいてその人を応援したりとか、サッカーの服装を楽しんだりしている方が注目されますが、私はもっと違う角度から攻めてみても面白いのかなって思っていました。なので、あえて詳しく書こうとしているところもあります。私もお洋服で楽しんだりもしていますし、選手に“推し”もいます(笑)。だからこそ、その中でもいろんな楽しみ方があるよ!ということを伝られたらいいなって思っています。

——影山さんは今回、アイドルとしての活動再開発表からすぐにサッカーについて精力的に情報発信されていますよね。このことから想像するに、活動をお休みされていた期間にも「こういったことを発信したい!」という思いをたくわえていたんじゃないかと感じました。学業でお忙しい日々だったとは思いますが、どのようにサッカーと関わっていましたか?

 お勉強をしているとなかなかサッカーを見る時間が取れず、ハイライトしか見られないような時期が続いていました。とくに海外の試合は深夜にあり、学校に行ってから家でお勉強をして……となると、それだけでもなかなか睡眠時間が取れなくなるので。でも私はもともとサンフレッチェ広島が“推し”だったのですが、試合をフルで見る機会が減ってしまったぶん、どうにかしてサッカーの情報を耳に入れておきたい!と思い、やべっちFCなどのサッカー番組を見たり、夕方のニュースのスポーツコーナーを見ていました。

 ただ、そういったメジャーな番組でサッカーが取り上げられる時はサンフレッチェ広島という一つのチームだけじゃなく、最近決まったスーパーゴールだったり、いろんなチームの話題が出てきます。それら一つひとつを見ていると、どんどんいろんなチームをもっと勉強したくなっちゃって、もっと勉強したら面白くなりそうだなぁって思っていました。そこで普通は昼寝をするような空いた時間で選手名鑑を読んだり、DAZNさんを使ってハイライトをさらに早送りしながら、なんとか見ようとしていました。すると気づいたら一つのチームのファンだったはずが、Jリーグ全体のサポーターみたいな気持ちになっちゃってきました(笑)。

 そして学業がひと段落して、ようやくサッカーを見られる!となった時、気づいたら全部のチームを前より理解できるようになっていました。この選手がいま調子いいのかも!とか、このチームの戦術はこう変わったのかなとか、この対戦ではこっちはカウンターがうまいけど相手は1対1が強いからどっちが主導権を取るんだろう?とか。どんどん想像するような見方ができるようになったりしていて、学業を終えてから、さらにJリーグ全体が好きになっていたって感じです(笑)」

昨季のJリーグは横浜F・マリノスが制した

——となるとJリーグの再開はすごく待ち望んでいたのではないですか?

 Jリーグもお休みの期間が長くなっていたので、その中でチームがどれだけ変わったのか、新しく入った選手がどんなプレーをしてくれるのかがすごく楽しみです。また再開後は単純にいろんなチームが戦っているというそのこと自体が素晴らしいですよね。失って初めて分かる……みたいな感じです!

◆◆◆

 後編は6月27日掲載。いよいよ待ちに待ったJリーグ再開の日。幼少期のJリーグにまつわる思い出や、Jリーグをますます好きになるきっかけとなったあのゴールから、今シーズンブレイク必至!?の“推しメン”、影山さんが考えるアイドルとサッカー選手の共通点などなど、前編以上にサッカーを深く語ってもらった。

(インタビュー・文 竹内達也)

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