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[和倉ユース]敗戦を無駄にせず、意識変化。米子北が千葉U-18破り、次はリベンジマッチ

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米子北高MF矢野巧也がスライディングタックルを決める

[8.2 和倉ユース大会予選リーグ 千葉U-18 1-4 米子北高 和倉多目的G(Cコート)]

 2日、第8回和倉ユースサッカー大会2020予選リーググループA第2節でジェフユナイテッド千葉U-18(千葉)と米子北高(鳥取)が対戦。米子北が4-1で勝ち、1勝1分として決勝トーナメント進出へ大きく前進した。

 かつてトップチーム、日本代表に数多くの選手を送り出した「育成のジェフ」復活を目指してホセ・マヌエル・ララアカデミーダイレクターや朝岡隆蔵監督の下で活動をしている千葉U-18と、17、18年にプレミアリーグWESTへ参戦しているほか、全国大会常連となっている山陰の強豪、米子北との一戦。相手以上に持ち味を発揮した米子北が強豪対決を制した。

 前半からボールを握ったのは千葉U-18だった。DFラインからボールを左右へ動かし、また1ボランチのMF栗原大河(3年)も後方へ下りて組み立てに参加。ただし、前半は米子北の守備ブロックを崩し切るには至らない。ボールを奪ってから速い米子北は、左MF矢野巧也(3年)らが効率よくチャンスを作り出し、23分に先制点を奪い取る。

 左サイドから崩し、最後はFW崎山友太(3年)の折り返しをFW中田来輝(3年)がニアで決め、1-0で前半を折り返す。だが、後半は立ち上がりから千葉U-18が猛プッシュ。中央、サイドで相手の背中を取ってシュートシーンを増やした。

 7分には右サイドを攻略し、MF黒木陸(3年)がDFラインとGKの間へ入れたラストパスをMF藤谷敦也(2年)が右足で決めて1-1。だが、直後の8分、米子北はインターセプトから崎山のスルーパスを中田が1タッチで決めて再び勝ち越す。

 ただし、千葉U-18は勝ち越された後も猛攻を継続。相手DFに触られることなくサイド、PAまでボールを運び、FW夛田凌都(3年)や黒木、FW岸本和也(2年)が次々と決定的なシュートを撃ち込んだ。

 だが、米子北はGK長崎勇也(3年)がファインセーブを連発。「DFが身体張って、コースを切ってくれていて、自分が消えているコース以外を止めるだけだったと思うんですけれども、ミドルシュートもこぼれ球を詰められないように外へ弾くことができたし、結論としては結構良い感じでできました」という長崎の好守や、最後まで身体を投げ出してシュートコースを消していたCB横山凌雅(3年)やCB鈴木慎之介(2年)ら最終ライン、中盤の選手の奮闘が米子北に追加点をもたらす。

 試合終了1分前の29分、相手の背後へ抜け出したFW高草木魁(3年)が右足で値千金の追加点。さらに30分には右クロスをコントロールした矢野が右足ボレーを決めて4-1とした。PAまで戻っての守備でも貢献した矢野は、「(ミスでチームに迷惑もかけたが)守備で貢献することが自分のできることなので、それを意識しました」。一人一人が持っているカウンターへの意識の高さ、向上中だという崩しの精度、ゴール前で身体を張る部分も勝因となった。

 米子北は6月の鳥取県総体代替大会西部地区準決勝で米子東高に2-3で敗戦。この一敗は10年以上ぶりとなる県内での敗戦だった。矢野は「代替大会で負けた時点で自分たちは練習から、試合から全てに関して意識を変えて、球際からバチバチ行っていたり、一人ひとりが下のカテゴリーに自分たちの強い意志を伝えるためにやっています」。まさかの敗戦が各選手の日常の意識を変え、それが結果にも繋がっている。

 今大会の予選リーグ最終節(3日)は青森山田高と対戦。昨年度の選手権全国大会初戦で0-6の大敗を喫している因縁の相手とのリベンジマッチだ。長崎は「選手権の負けをここで晴らしたいというのもありますし、これからチームとして全体的に成長するためには勝たないといけない。モチベーションは(全員)大きいと思います。強いて言えば、無失点で勝ち切りたい。山田は身体を張って点を取りに来るチームなので、自分たちも身体を張るという部分で負けずに、無失点に抑えて攻撃に点を取ってもらうという形で頑張りたい」と誓った。

 矢野は「こういう難しい時期での大会開催もありがたいですが、結果を残す方も意識してやりたいと思っています」と宣言。悔しい敗戦から、自分たちが変わり、成長したことを青森山田戦で示す。

勝負どころで好守を連発した米子北高GK長崎勇也


(取材・文 吉田太郎)
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